第4話 「…今後の君達の働きに期待する。以上。」
今日は休日ですが、道場に来ております。
うん、やっぱり鈍ってる。
実戦なら既に10回位殺されてるな。
でも、久しぶりに良い緊張感を感じてる。
研修と言う名のぬるい訓練が地味にストレスだったみたい。
ココの鍛錬は合気道のような柔術系とも違い、体術としても現代スポーツ系と少し違うのでホント面白い。
「気操」って呼ばれてたけど、身体に気を巡らせてっていう合気道に通じる考え方は自分に合ってると思う。
身体動かすの楽しくて、知らずにニヤけてたらしく気持ち悪がられてしまった。
「タチバナ、お前ドMだろ」って失礼な、セクハラで訴えるぞ?
「何処で習った?」
って鍛錬中、突然聞かれて困った。
「えーっと何がですか?」(汗)
「誤魔化さなくても良い。犬塚から聞いてないか?」
「えーっと誰からですか?」
「犬塚部長から連絡は無かったか?」
やべ、昨日から携帯見てないや。
「分かりません。社内の話ですか?」
「聞いてないなら良い。確かにぺらぺらしゃべる話では無いからな。ただ、鷲尾も犬塚もココの出だ。」
成程、確かにお話しできる話題では無いですね。
「そうなんですね。犬塚部長は存じておりますが、もう一人は存じ上げません。」
「そうか、失礼した。こちらの勘違いだ。」
充実した訓練に参加できて良かったけどアレは何だったんだろう。
教官にお礼を言って着替えて帰る前に一応携帯を確認しておいた。
『大東さんに声掛けられたら連絡しろ』
誰?その大東さんって。しかもコレ、連絡来たの訓練中じゃん。そんなの気付かないよ…
帰ろうとしたらまたさっきの指導員から声掛けられた。
「ご指導ありがとうございました。」
「犬塚によろしく言っておいてくれ。」
「了解致しました。お名前伺ってよろしいでしょうか。」
「大東(おおひがし)だ。お前は筋が良い。また来なさい。」
「はい。ありがとうございます。犬塚部長に伝えます。また伺わせて頂きます。」
「うん。」
「では、失礼致します。」
やっべー、久しぶりに背中冷えるくらいのプレッシャーだった。
オッサンズの関係者だなアレは。
取りあえず連絡しておこう。
『大東さんに接触。”犬塚によろしく言っておいてくれ”との事。』
あー今日は心地いい疲れだな。美味しいビールが飲めそうだ。
そうだ、今日は回転寿司にしよう。
回転寿司屋で飲むビールは中々良いんだよね~。
部長に奢ってもらった高級寿司も良いけどこのチープな味が良いよね。
はー幸せー。
『犬塚、アイツはどの程度使えるんだ?』
『鷲尾が手駒で使うレベルです。』
『確かに良いな。どこかの仕込みか?』
『確認しましたがその形跡は有りません。家族も問題無しでした。』
『この時代に生きているとは思えん若者だな。』
『引き続きよろしくお願いします。』
『お前がそこまで言うんだ。分かった。しっかり仕込むとしよう。』
先週までの研修終了後の休日明け、配属前の最後のオリエンテーションだって。
研修中もお給料出てるんだからしっかり聞かないとね。
うーん、色々と支給されたし、何か一端の社会人って感じ。
警護部の先輩達を見習って行きましょう。
「最後に、担当常務の大東さんから訓示を頂きます。」
ん?何か聞いたことある名前?
「常務の大東だ…」
ああ、昨日お会いしましたね。
マジか、やっぱりオッサン達にハメられてる気がしてならない。
逃げ出したいけどもう無理な気がする。
「…今後の君達の働きに期待する。以上。」
ほとんど内容は耳に入ってこなかった。
解散後、警護部に行くと案の定、部長室に呼ばれ、二人が待っていた。
「おう、ようやく研修終了か、これからキリキリ働いてもらうからな。」
「出来るだけ道場にも顔を出しなさい、しっかりと鍛えてやろう。」
頼んでないのに鍛えてもらえるなんて、ハハハ。
どこで道を間違えたんだろう…
部長室で有難い励ましのお言葉を頂いてげんなりして出てくると、警護部の美女、竹原さんをはじめとする先輩方に案内頂き、今後の業務についてレクチャーを受ける事となった。
はー、眼福眼福。キリっとして凛々しい女性は素敵ですね。
こういった女性になりたいですな。
さて、これからの事ですからしっかりとレクチャー受けていきましょう。
何々、警護部には1課から5課のチームがあり、その他は特務警護課、装備課、総務課があるとの事。
それぞれのチームの中に実働係と支援係があるのですね。
皆様お姉様方は支援係であると、成程。
えーっと、そんなに強そうなのに支援係なんですね。
何故なんでしょうか?
支援係も現場に出ると、成程。
現場と言うのが警護、いわゆるボディーガードですね。
あれ?内勤業務は?支援と言うか通信や指揮に関しては?また別の課が仕切ると、成程。
オフィスにいらっしゃらない方々は?訓練中ですか、私もじきに参加すると、分かりました。
向こうでやってた事とあまり変わらないと…、いえ、独り言です。
どの課に配属されるかはまだ分からないし、訓練中に適性を見てそれぞれの課にスカウトされていくと、成程。
厳しいからめげない様にと皆様から励まされました。
うん、頑張るけど、思っていた会社勤めとなんか違う。
どこで道を間違えたんだろう…
橘 亜沙子(タチバナ アサコ)(女)(23歳)
主人公 いつの間にか『KS警備保障株式会社』の警護部にエリートさんと同じように配属されてしまった期待の新人。
過去に受けた訓練と同様の充実感を感じてしまい、普通の会社勤めとは何か違うと感じて今日この頃。
犬塚部長(男)(40代)
『KS警備保障株式会社』警護部長。
勝手にやり過ぎるアサコに期待しつつも呆れている。
鷲尾と共に道場で鍛えたらしい。
大東常務(男)(50代後半)
『KS警備保障株式会社』常務取締役 偉い人。
道場でも教官として指導している。アサコの鍛錬に臨む姿勢を高く評価。
今後のアサコの育成が楽しみな今日この頃。
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