貴方に赤ペンを付けてあげますよ~re・start~
椿野れみ
第1話 盗られた
「こことここの部分、そしてこことここもですが。私のアイディアとまるきりかぶっていますし、私が描いた文章と重なっています。今すぐに変えていただいてもらっても良いですか。このまま描き続けるようならば、盗作として訴えますし、著作権問題にも絡んできますからね」
返信と言うボタンをポンッと軽やかにタップすると、シュッンと素早い音が駆け抜ける。
私のメッセージが相手の通知場所にポンッと滑り込み、有り難いメッセージの枠に堂々と収まった事だろう。
勿論、赤ペンでキュッ、キュッと丸く囲われた箇所が点在している文章の添付も。
私はふうっと、送り相手である「江戸みーぽよん」と言う巫山戯たペンネームのアカウントに思いきり息を吹きかけた。
最近、この人は中華ファンタジーと転生物を絡めた物語で人気を博している。
……いや、意味分からないんだけど? って言うのが、まず一番。
だって、そのアイディアの始まりは私だよ。
これは、私が先に思いついたの!
主人公がクーデレで、ヒーローがほのぼのキャラ。キャラクターデザインも、完璧に丸被り。そればかりか、古めかしい時代ながらも、今風のラブコメを入れて、ただの中華ファンタジーじゃ終わらせない所もそうだ。
全部、私が先に思いついて、描いていた。
でも、始まりである私には、片手で数えられる人数しか読者が付いていない。温かい応援も来ないし、続きを更新してもすぐにPVは増えない。
この人に盗られたせいだ。
作品の人気も、キャラも、物語も、全部盗られたせいで私がこうなった……!
だからこの人から、返してもらわなくちゃ気が済まない。全部、全部、こっちに還るまで。
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