第7話

『聞こえませんでしたか』


『えっ? あ、あの……』





 正直言って、絶対に俺の聞き間違いだと思った。そんな妄想をしなかったわけじゃないけど、まさか本当に幻聴が聞こえるとは。





『スキです、と言ったんですが』


『……!』


『アナタがスキです』





 幻聴じゃなかった。


 こ、告白自体はじめてなのに、こういう時どう答えればいいのか。





『あっ。……えっと』





 いや、そこは夢見る男子高校生。そんなことを今まで考えたことが無いといったら嘘になる。


 好きな子に言われればそれはもちろん即OKだし(今いないけど)、それ以外の子はまずはお友達からだと、勝手に決めていた。





(……いや。でもちょっと待て)





 しかし、ロボ子さんと友達になりたいかと言われれば、それはちょっと待てと心の中の俺がたんまをかけてくる。もちろん嫌というわけではない。




 そもそも、どうして接点のない俺なんかを好いてくれたのかが分からない。


 それに、後輩の凡太郎が、先輩でしかも有名人である美人の彼女に、まずは友達から……なんて。





 ……おおお、畏れ多いだろ。

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