第11話
ヒビキは元気のないアタシを元気付ける為にヒラさんにヒイロを紹介してやれと言ってくれたらしい。
らしいってのはホノから聞いた話だから真実は分からないけど、ヒラさんが言ってたってホノから聞いたからそれは真実なんだと思う。
「ユラちゃん、また明日ね」
「はい、何時もすみません。ヒイロちゃんも連れて来てくれてありがとうございました」
「ふふっ、いいよいいよ!ユラちゃんが楽しそうでお兄ちゃんは嬉しいよ!」
「ヒビキも、何時もありがと」
「何もしてねーよ」
「ううん、それでもありがとう。気を付けて帰ってね」
「おやすみ、ユラ」
何時もと変わらずアタシの頭をするりと撫でて去って行く車が見えなくなるまで手を振るアタシは、昔とは変わったななんて思う。
例え家の前まで送ってくれたとしてもこんなに手を振ってばいばいをするなんて事はしてこなかったし、今は寂しいってあまり思わなくなった。
昔は家に帰ると寂しいと言う感情が大半を占めていて、その感情に動かされて夜の街へと出ていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。