会社の上司から、出張先の長崎でこの時期限定の「桃カステラ」を買ってきて、とお使いを頼まれた主人公の若手社員。しぶしぶ承知して買いに行くと、店員のおば様が作業着姿の主人公を見つめ、意外な反応を示すのであった……。
シンプルな構成、そして軽妙なタッチの会話で展開される本作はとても読みやすく、また、上司であるおっさんとのやり取りは、普段の二人の距離感や会社の雰囲気がくっきりと見えてくるほどの素晴らしき描写力です!
また、脇役の営業マンやお店の店員のおば様とのちょっとした会話からも、活き活きとした空気を感じました。
登場人物が本当に魅力的に描くことのできる力、羨ましいです……!
そして、若手青年社員にとっては縁遠いはずの「ひなまつり」というテーマを、50代の上司のお使いによって繋げるという、この捻り方も面白いです!
是非ともご一読ください!