第5話 ぼくだけのアイドルの膝枕
柔らかくて温かい。甘い匂いでむせびそう。頭を撫で撫でされている。これこそ春眠暁を覚えずかな……。
僕も枕を撫で撫でする。つるつるすべすべする。まるで絹の柔肌じゃないか?
「私の膝で好かったら、好きなだけさすって好いわよ。このまま横になってて……」
お言葉に甘えてしまおう。限りない慈しの眼差しが注がれている。眼を見なくてもわかる。恵まれた飼い犬ってこうなのかな?
「夢みたいです。僕なんかで好いんですか?」
「あなただからこそ好いのよ」
「どうして、僕なんてブ男で勉強も運動も出来なくて何の取り柄も有りませんよ?」
「それは家族だからよ。家族に取りえなんて関係ないでしょ?」
「家族って遠縁、従姉妹ですか?」
「あなたは私の双子の弟よ?」
「ぇえっー!?……だって似ても似つかないですよ」
「私の勘が告げてるは、あなたは実の弟で間違いないわ。赤い糸より太いきずなで結ばれてるのよ。心当たりない?」
「ぁあっ、そうか!?……僕だけにしか見えなかったのは、その所為なのかな?」
「きっとそうよ。私たちは回転ドアでお互いの背中を追いかけていたのよ」
「そういえば自己紹介まだだったよね。僕は
「ごめんね自己紹介遅れて、私は
名は体を表す。僕が追いかけてたのは桃尻の匂いだったんだな……。
「ナァチャン、ナニにやけてるの?」
「いゃ何でもないです。桃尻さん」
「こらっ、いくらお尻が好きだからって、姉のことを名字で呼んだらダメよ」
「ごめんなさい。ァ……アヤメ姉さん」
お姉ちゃんに憧れてたけど、こんなに奇麗で優しいお姉ちゃんに恵まれて、嬉しさが込み上げて堪らない。クラスメートが、姉のことを猛獣とか怪獣って悪口言ってるのでも、羨ましかった。ましてや僕のアヤメ姉さんは世界一美しい姉に決まっている。銀河鉄道六九号で一緒に旅行したい。
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