第39話

「今から会えませんか?」


翌日、帰ってスマホを確認すると、日野くんからのメッセージが届いていた。


「会える!」


親指を上下左右に走らせ、文字を打ち込む。


「いつもの場所で」


メッセージを確認すると、慌てて家を出た。


急ぐ必要はないのに、1秒でも早く会いたかった。会って、…自分の想いを伝えたい。


高鳴る鼓動を抑え、自転車にまたがった。


「お待たせっ」


土のにおいが漂ういつもの場所に、ちょこんと座っている日野くんがいた。


11月の寒さに自転車を漕いでる最中は挫けそうになっていたのに、彼を一目見ただけで体温が上昇していくのを感じる。


触れるか触れないかくらいの距離に私も座る。


ドキドキドキドキ


日野くんを前にすると、好きの気持ちが今にも溢れ出ようとする。

でも、告白なんて…やっぱり怖くてできない。


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