第6話

やってきた土曜日。


地元の焼肉店に青組応援団メンバーが集まった。


団長の音頭で乾杯し、食べ放題がスタートした。


席は男女で分かれていたので、1.2年の女の子達と一緒にあれこれ話していた。


「実は私、団長こと好きかもです。」


「本当に?あいつ今彼女いないはずだよ!帰りに連絡先とか聞いちゃえば?」


「えー。恥ずかしいです…」


後輩女子とのガールズトークが盛り上がり、お腹も膨れてきたところで、少しずつ席の移動が増えてきた。



「二葉、一緒に日野くんたちの方に行こうよ」


「あーうん、いいよ」


「ありがとう〜」


凛に誘われ、日野くんたちの方へ近づく。


いつもラインでやりとりしている日野くんが目の前にいる。なんだか不思議な感じがした。


「日野くん、尾井川くんやっほー」


「高橋先輩、相原先輩ちわっす」


凛、日野くん、尾井川くん、私で座っているが、なんとなく凛と日野くん、私と尾井川くんという形に持っていった。


それが私なりの凛に対する償い。

 

「相原先輩の連絡先、日野に教えちゃいました!」


「尾井川くん、事後報告タイプなのね。笑」


「いや、どうせいいよーって言うだろうなって!」


「まあ、断る理由はないからね」


「連絡もよく取ってるんですよね?」


「ちょっ、それ、ここで言わないで!」


「何でですか??」


尾井川くんは崇人繋がりで元々関わりのある後輩だった。


崇人と違って、私のことを先輩扱いしてくれる、話しやすくてとても良い人だったけど、今は空気を読んでくれと呪いたくなった。

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