第35話

② エラーあれこれ


野球ファンをがっかりさせるのが守備のエラー。

それでもプロかッ!と思わずラジオの前でヤジを飛ばしたくなる、そんなエラーに関する言い回しを説明します。


「お見合い」は、フライの打球に対して複数の野手が捕球しに走ったものの、お互いに譲り合ってしまい、結局誰も捕球しなかったこと。

野手同士でしっかりと声を掛け合って誰が捕るか意思疎通することが大事ですよね。ちなみに少年野球などでは「オーライ」という声掛けが一般的ですが、最近のプロ野球では「アイガーリー(I got it)=俺が捕る」という声を掛けることが多いらしいです。


「トンネル」は、ゴロの打球に向かって真正面から捕ろうとした時に、その股の間をボールが通り抜けてしまうこと。カッコ悪いったらありゃしません。


「後逸(こういつ)」は、ボールを取り損なって後ろにそらしてしまうこと。キャッチャーがピッチャーからの投球を捕球できず後ろにそらしてしまう時にも使います。


「ファンブル」は、ちゃんと掴んだはずのボールを取り落としてしまうこと。「お手玉」とも言います。


「フィルダースチョイス」は、ちょっと説明が難しいエラーです。

ざっくり言うと、「塁上にランナーがいる状態で、次のバッターが内野ゴロを打ち、それを捕球した野手が1塁に送球したならば確実にバッターをアウトにできたはずなのに、野手が既に出ているランナーをアウトにしようとして1塁以外の塁に送球したもののアウトにできず、1つもアウトを取ることができないという結果になった」ことです。

本当は、もう少しややこしいルールがあるそうなのですが、私自身も正確には理解できてません。素人目には「結果論じゃないか」と思ったりもするのですが、野球経験者から見ると「許しがたい判断ミス」なのだそうです。

ちなみに、フィルダースチョイスは記録上はエラーとはならないものだそうです。ま、そのへんは野球経験者に聞いてみてね。



③ 「刺す」「殺す」


野球用語って、知らない人が聞いたらビクッとしてしまいそうな物騒な言葉が結構多いんですよね。

アウトにすることを「殺す」。

アウトになることは「死ぬ」。

牽制や送球でランナーをアウトにすることは「刺す」。

ランナーがピッチャーの隙をついて次の塁に進むことは「盗む」。

ピッチャーがバッターにボールをぶつけてしまうのは「死球(デッドボール)」。ちなみに「デッドボール」は和製英語。本来の英語は”Hit by pitch”、直訳すれば「ピッチャーに当てられた」って、そのまんまじゃん。

そういえば「犠打」や「犠牲フライ」も、“犠牲になった”と言うと、妙に重々しすぎるよなぁ。


まぁ、こんな感じで、日本の野球用語は何故かやたらと物騒だったり大袈裟だったりするので、野球ファン以外の人の前ではちょっと気をつけたほうがいいかも。

「昨日の9回表はめっちゃハラハラしちゃった。フランスワが近本くんにデッドボール当てちゃってさ。そんで、近本くんに2塁を盗まれて、糸原くんの犠打で3塁、次がおっかない福留さんだからヤバいって思ってたら、ライトにどデカい犠牲フライ打たれちゃって、もうダメだ、やられたー!って震え上がってたら、誠也のレーザービームが真っすぐ飛んで来て、本塁上で近本くんを刺して殺したんだもん!やったぁ!って喜んだのぉ私!」

…なんて会話が、うっかり野球知識が皆無な人の耳に入ったら、コイツら、どこの組の極妻じゃ、と怪しまれてしまうかもねー(;^_^A

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