第3話 炎獄の魔人レスティア

 「かくして、異世界召喚された坂本友也さかもとともやは地下牢獄へと収容されたのであった」

 

 じゃねーよ! なんで俺がナレーションしてんだ。

 

 「さて、どうすっかな」

 仲間が救出にくるのを待つか! あいつらなら来てくれるはずだ。

 

 「あっはっは! お前、仲間いねーじゃねーか」

 

 自分で笑ってる場合じゃねーんだよ! マジで誰か助けてくれ!

 

 

 「あばばばばばばばばばっ!?」

 なんだなんだなんだ!

 突然、爆発音がしたら俺のマイハウスがひび割れて瓦礫がめっちゃ落ちてきた!?

 

 「ごほっごほ、オエッ! 口の中に砂が入った」

 「あら? こんなところに誰かいたのね」

 瓦礫が落ちてきたと思ったら女の人がいるんですけど!?

 ここ俺のマイハウスなんですけど、誰ですか!!


 「ど、どちら様でしょうか?」

 「あら? 道に迷ってしまったわ」

 この手の人物には関わらない方がいい。

 ほら、見ろよ。 この人めっちゃ美人だぞ? これは絶対にやばい奴だ。



 髪は赤く本物の血のように濡れていて、紫の口紅は妖艶の一言だ、極めつけは漆黒のドレス。 重厚なエンボス加工は高級感がありスタイルを強調するようなシルエットはまさに大人の女!

 


 「あの……その大鎌は?」

 「ちょっとお掃除をしていましたの」

 お掃除ってあれですよね、殺し屋がつかう隠語ですよね!

 大鎌から血がボタボタ落ちてるんですけど!?

 

 「あなた様の名前を聞いてもよろしいですか?」

 

 「……ジャックですわ」

 得体の知れない女に本名を教えるか! 面倒事に巻き込まるのはゴメンだ。

 

 「キャスト・アプレイザル! 私は炎獄の魔人レスティアですわ。 サカモト……トモヤさん?」

 嘘ついたのバレました! 鑑定魔法嫌いだわ、プライバシーって知ってる? 

 

 「気に入りましたわ。 私と地獄の底までダンスのお相手お願い出来ないかしら?」

 腕に抱きついておっぱいが当たってるんですけど!

 めっちゃ甘くて、いい匂いがするぅ。 俺の肩にめっちゃ血がついて怖いけど本能には逆らえない!

 

 「どこまでも、お相手します!」

 「なんの音だ!」

 レスティアは「大丈夫よ」と言うと大鎌で騎士の鎧に素早い一撃を入れ、昏倒させた。

 

 「殺したっすか……」

 

 「みね打ちですわ」

 眼が赤く光って怖いですレスティアさん! 本当についていって大丈夫なのかな?

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