第3話 煌めく印
大丈夫なのか?今まで勉強なんてしてきたことがねぇ。
それに加えて
エルナ婆さんのおまじないみたいなもんか?やべぇよ何もわかんねぇ!
「ふん。試験が終わった後にお前の顔がどのように
――――筆記試験後。
…………あぁ。まーったくダメだった。
空が青いはずなのに、色が抜けて灰色に見える。
「クッ……、ハッハッハッハッハッ!どうやら芋頭に教養などというものは難しすぎたようだな!」
「グヌヌ…………」
事実は事実だが、それをこのボンボンに突きつけられたことにムカっ腹がたつ。それに、この後さらに未知の世界の力、『魔力』。かなりまずい……。
「では、こちらの部屋に1人ずつ入って来なさい」
受験生が1人ずつ部屋に入っていき、ついに最後、俺の番が回ってきた。部屋に入ると、部屋の真ん中にある杖へ手をかざすよう言われた。
杖に向かって手をかざしても、魔力なんか流れるわけ――
――――魂を燃やせ
「っ……!」
不意に白い部屋の風景が脳裏によぎる。
「おや?」
試験官たちが顔を合わせる。試験官の1人が、
「レオン君、もう一度やってもらっていいかい?」
「は、はい」
魂を燃やす?さっきの感覚をもう一回………………あれ。
体の内側から、手の先へ流れるように……流れるようにぃ……ながれるようにににににぃーーーーー!
「すんません、できないみたいです。さっきのやつ」
「ふむ、どうにもさっきのは測定器の故障かもしれんな、レオン君。それより、君は過去に
「は?えーっと、今までに魔力ってのを操ることは一度も無かったと思います」
「そうか。特に君を
……あの瞬間、体の内側から溢れる力を感じた。その前の白い部屋。なんか、シントラっぽくないっていうか……。
――――――
「それでは、最後に
「では最初の2人、
受験生のうちの二人が
「始め!」
長剣持ちが強く地面を蹴り距離を詰める。
槍持ちは下がりながら長剣の切先を
素早い足捌きに鋭い突きだ。これで――
その瞬間、長剣持ちが地面に剣を突き刺す。
長剣の柄が光ると、長剣が大きくなり、盾のように槍を受けた。
トドメの一撃を繰り出すはずの槍持ちは大きく後ろに体勢を崩す。
長剣持ちはそのまま大きくなった剣を振りかぶるとそのまま槍持ちの顔面に会心の一打を叩き込んだ。
槍持ちの頭の防具の刻印がチカッと光ると、そのまま場外へ引っ張られるように移動する。
「そこまで!」
槍持ちの
「なあ、パウル、あの長剣ってなんであんなでかくなってんだ?」
「ふん。田舎者にもわかるように教えてやろう。さっき君が受けた筆記試験にもあったと思うが、あれがシントラの誇る
「だとすりゃよ、武器を小さくしたまんまでたくさん持って、さっきみたいに色々でかくすりゃ強いじゃんか。なんでそうしないんだ?」
「それにはだな、刻印を使うのに魔力をかなり消費すること、刻印ごとに適性があり、持ち主を選ぶということが関係する。だから大概は個人の技量と特性に合わせた刻印を装備に付けたり身につけたりするのだ」
「ほー。パウルも使えんのか?刻印。」
「もちろんだ。僕の刻印も特別製だ」
「すげぇんだな、俺なんか魔力ってのを今まで知らなかったから、使い方すらわかんねーよ」
「ハッハッハッ!これ以上笑わせないでくれ。魔力を知らないだと?世間知らずどころか……まぁいい。君には手加減してあげよう。感謝したまえ」
「手加減?」
「おや、対戦表を見なかったのか?君の相手は僕だ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます