キリスト大罪編
第18話 新たな挑戦者達
上坂元(かみさか もと)、現る
世界最強の称号を持つ真生は、これまで数多くの戦いを勝ち抜き、その名は各地で恐れられ、尊敬されていた。しかし、どれほどの力を持とうとも、真生は過信することなく、日々の鍛錬を怠らなかった。だが、ある日、彼の前に予期しない挑戦者が現れる。
その男は、その外見からしてただの戦士ではない。身のこなしからも知性と計略を感じさせ、どこか異次元の存在に近い雰囲気を漂わせていた。彼の冷徹な目は、まるですべてを見透かすように鋭く、真生が今までに感じたことのないような圧迫感を与えてくる。
その男は、ただの力自慢ではなかった。彼は強力な召喚術の使い手であり、数多の魔物や精霊を自在に呼び出すことができる。その力を使い、真生に挑戦状を叩きつけてきた。
「我が名は -上坂元。強欲を司る神、そして『破滅の継承者』として、この世界のすべてを試すために降臨した。」上坂元は静かに、しかし確固たる意志を感じさせる口調で言い放った。
その瞬間、真生の体が一瞬緊張し、警戒心が一気に高まる。上坂元の言葉が単なる挑戦でないことは、彼の目から伝わってきた。手に握られた不思議な符が、強大なエネルギーを放っているのを真生は感じ取った。
戦いの始まり
上坂元は手にした符を高く掲げ、その符から放たれる光が周囲を包み込んだ。空間が歪み、次々と異形の存在が現れる。それは召喚獣、強大な魔物や精霊たちであり、いずれも異常な強さを持っていることが、真生にはすぐに分かった。
「これが私の力だ。」上坂元の冷徹な声が響く。「お前の力を試すために、これらの召喚獣を選び抜いた。さあ、どこまで耐えられるか見せてもらおう。」
真生はその言葉に引きずられることなく、冷静に戦闘態勢を取る。彼の目はすべての召喚獣に向けられ、その動きを見極めようとしていた。
最初の試練:巨大竜との戦い
最初に現れたのは、巨大な竜の召喚獣だった。その鱗は真紅に輝き、炎を吐き出しながら真生に向かって突進してくる。その火の勢いはまるで大地を焼き尽くすような威力で、真生は即座にその攻撃を回避した。しかし、竜の反応は異常に素早く、真生の回避を見越して、再びその火を放ってきた。
「強い。」真生はその攻撃に感嘆しつつも、動じることなく、竜の胴体に向かって強烈な一撃を加える。しかし、竜の鱗はその一撃をほとんど受け流し、真生に対して逆襲を試みる。
上坂元はその様子を見守りながら、次々と新たな召喚を繰り出す。今度は、巨大な魔物が現れ、真生に迫る。その姿は恐ろしいほどの力を感じさせ、何度も大地を揺るがすような一撃を放ってきた。その間にも、精霊や悪魔が空間を縦横無尽に飛び交い、真生を四方から囲み始める。
「これが私の戦術だ。」上坂元はその顔に冷徹な笑みを浮かべながら言った。「お前はこれらの獣を倒して、私の巧妙な策略を突破しなければならない。」
戦術と知略
真生はその言葉を一切気にすることなく、冷静に戦況を把握し、次々と召喚獣を倒していく。しかし、上坂元の召喚術は単なる力任せではなく、戦術的な巧妙さがあった。彼は獣たちを巧妙に操り、真生の体力や精神的な疲労をじわじわと蓄積させるように仕向けている。
「面白い。」真生はその戦術に感心しつつも、次第に上坂元の意図に気づき始める。上坂元はただ戦わせるのではなく、戦闘を通じて真生の疲労を巧妙に誘発し、隙を作らせようとしているのだ。
そして、上坂元は最後の切り札を投入する。
虚無の化身
その瞬間、空間がさらに歪み、最強の召喚獣 -虚無の化身が現れた。その姿はまるで闇そのもので、真生が今までに感じたことのない圧倒的な力を放っていた。空気が重く、冷たく感じるほど、その力は異次元から来るかのようだった。
「これが…」真生はその威圧感に一瞬ひるみかけるが、すぐに意識を集中させた。「やはり強い。」
虚無の化身は、真生を圧倒するように闇の力を振るってきた。真生はその攻撃をかわし、反撃を試みるが、虚無の化身の力は次元を超えたもので、容易には打破できなかった。
だが、真生は決して諦めなかった。冷静に隙を探し、ついに上坂元が握る召喚符に狙いを定め、その一瞬の隙を突いて奪い取った。
「お前の力、確かにすごい。」真生は息を整えながら言うと、上坂元は無言でその言葉を受け入れた。
「強いな、だが次はもっと面白い試合になるだろう。」上坂元は冷徹に言い残し、闇の中に姿を消した。
真生はその言葉が意味するものを深く考えながらも、次の挑戦者に備える決意を新たにした。彼の戦いは、まだ始まったばかりだと確信していた。
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