第14話

エリザベス視点

ん、ここはどこだ…?

まだはっきりとしない頭で周りを見る。


すると悪の象徴である魔王がいた。


『っ?!』

咄嗟に助けを求めようとした。あれ?、何故か声が出ない。


『…!』


魔王が此方に近づいてくる。


「くく、聖女のメアリーを殺して世界をもう一度我が所有物へ…!くくくっ!お前の前でメアリーを殺すのもいいが…お前をメアリーの前で殺しても良いっ…!」


心底愉快そうに魔王が笑う。


どうしようっ…また死んでしまうのだろうか。折角チャンスを掴めたと思ったのにっ…?



メアリー視点

城のドアをばんっ!と開ける。

この際、ノックとか礼儀とかどうでもいい。エリザベス様最優先だ、外野が無礼者などと野次を飛ばしているが、構っている時間はない。


「無礼者!国王様の前だぞ!」

そう言って槍を構えてくる家臣。

それを制し、国王様が口を開く。


「メアリー、魔王討伐を任せられるか?」


答えは勿論、

『当たり前です!今から向かっても宜しいでしょうか』


「いや、勇者たちのパーティーを付けてやろうと…」

『一人で大丈夫です!急いでいるのでっ!』


答えも聞かずに風を切って走る。

草原を走り、気が付けば魔王城の前だった。


とっとと魔王を殺してエリザベス様を助けねば。

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