第7話 旅の意味
俺とムミルがヨチーダに向けて旅を始めて1日目の夜、俺達はテントを建ててキャンプ地を作ってた。
俺は夕飯の調達、ムミルはキャンプ地の設営を担当し、俺は近くで鳥を捕まえ、キャンプ地へと持ち帰っていた。
「今日の夕飯は鳥の肉のステーキだな」
捕まえた獲物を
そんなことを考えていると焚き火の周りに倒木のベンチの置いてある簡易的なキャンプ地が出来上がっていた。
夕食を終え、星を眺めているムミルが突如質問をしてきた。
「あの、あなたはなぜ冒険者になろうと思ったのですか?」
俺は若干戸惑ったが少しして答えた。
「昔、一度死ぬ直前にまで怪我をしたことがあったんだ、退屈な人生だったが俺の体は生きることを選んだ、その時は分からなかったが生きることしか考えられなかった。今の俺も実質2回目の人生のようなものだ、俺が与えられた命は何のためにあるのか、何で俺は生きることを選んだのかその答えを俺は知りたくて、俺は旅をすることを選んだんだ。」
「そうなんですか。」
ムミルは呟いた。
「そう言うムミルは何で旅を?後何で倒れていたんだ?」
俺が尋ねるとムミルは答えた。
「私は元々アルシュタイン家と言う有名な魔法使いの家系の次女だったのですが私の国、まぁ国といっても都市の一つ一つが独立した都市国家なんですがそこでは13歳になると強力な職業とスキルを司祭からもらえるのです。その時私より3歳上の姉が職業とスキルをもらいに行ったきり帰って来なくなってしまったんです。 それから3年後私も同様に職業とスキルを貰い、3年が経ち魔法も練度が上がったので、、、」
「お姉ちゃんを探すために旅をしていたと言うわけだな。」
ムミルは首を縦に振った。
「最初何か軍資金が欲しいと思ってスライムを狩ろうと魔法を撃ったところスライムは魔法攻撃が一切通用しないことを忘れちゃってて。」
「お金を稼げなくて行き倒れていたところ俺と出会ったってわけか。」
「はい」
ムミルは顔を赤らめながら答えた。
俺とムミルの顔には自然と笑顔が溢れていた。旅の途中で交わすこんな会話ができる時間が、無数の星々が美しいと思える時間が、くだらないことでも邪魔されずに自由にできる俺たちの旅路がずっと続いて欲しいと思った。
「さぁ、明日も早いから早く寝るぞ。」
「はい」
ムミルと俺はそれぞれのテントに戻りぐっすいと眠った。
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