第27話 Totus tuus(ひとみ)② R18
【Caution!】
27話『Totus tuus (ひとみ)②』はR18作品です。
男女間の性描写があります。
18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。
(ここから先は筆者の言い訳です)
個人の感じ方の問題もあるので一概には言えませんが、露骨にエログロな描写は決してしていないつもりです。(筆者も女なので、限界があります)
いわゆる、男性向けの官能小説的な描写ではないはずです。
そして、ひとみ視点のお話なので、ソフトな描写です。
お話の進行上、絶対に必要か、と問われると返答に窮するのですが、筆者が書きたいから書いた、としか言いようがありません。
ええ、認めます。書きたいから書きました(言っちゃった!)
二人のラブラブぶりを書きたかった。ただそれだけです。
そこに愛はあります。あふれています。
少しでも不快・もしくは不安に思った方は、回れ右でお願いします。
また、読み始めて『これは無理』と思った方も、そっと閉じて、わたしのことはきれいさっぱり忘れてください。
いいですか?
警告しましたよ?
それでもOK、という方は、以下からどうぞ。
* * *
二階には5つ部屋がある。聡史くんの仕事部屋兼書斎、元は美也子ちゃんの部屋であるわたしの部屋、空き部屋が二つ、そしてわたしたちの寝室だ。大きい方の空き部屋は、いずれは子ども部屋にするつもりだった。小さい方は、窓に向かい合わせで小さな机しか置いていない、隠れ家みたいな空間だ。
手を引かれて寝室に入って、そのままベッドに座ろうとすると、ちょっと待って、と聡史くんに止められた。
「よく見せて、ワンピース」
先に座った聡史くんの前に立たされて、しばしじっと見つめられた。すぐにふっと笑顔を向けられて、ほっとする。
「やっぱり、よく似合ってる」
「あ、ありがとう」
「帰ってきてすぐ玄関でちゃんと言えばよかったんだけど……さっきはなんか余裕がなくて」
そのまま両手を引っ張られて、聡史くんの膝の上に横向きに座る格好になった。
「今は、余裕があるから見てくれたの?」
「まさか。余裕なんて、ないよ。いつも、ない」
ちゅ、っと短くキスしてから、聡史くんは困ったような顔になった。
「ひとみちゃんは、すごくかわいいから……いつだって、こうしたくなるんだ」
手が肩に回って、そっと抱きしめられた。さっき玄関先で壁際に追い詰められた時とは違って、とても優しくて安心する――と思った矢先に、耳元で囁かれた。
「でも、ごめんね。これ、この後すぐ脱がせちゃうことになるけど」
もう、と文句を言おうとすると、そのまま唇が重なった。今度は、長いキスだった。けれど、さっき玄関先で奪わたようなせっかちな感じではなく、とても心のこもった丁寧な口づけだ。
しばらく触れあって、一瞬離れて、でもまたちゅるっと唇を食んで、そっと舌が絡む。かと思うと、顔を傾けて息もできないほど深く口づけられる。なんだか怖くて、聡史くんのTシャツをぎゅっとつかんでしまう。
ああ、やっぱりバターみたいに溶けてしまいそう、とうっとりしていると、唇がほおへ、そして首筋へと滑っていく。ぞくっとするような心地よさが背筋が駆け抜ける。するっとカーディガンが脱がされて、カチリ、と軽い音がする。サイドテーブルにカーディガンのボタンが触れた音だとすぐわかる。聡史くんは、脱がせたわたしの服を床に放り投げたりしない。さりげなく、こうやってサイドテーブルに重ねていくのだった。
聡史くんの唇が耳朶を食む。んっ、と思わず声が出てしまいそうになって、あわてて我慢すると、今度は左手が、わたしの肩や腕をそろりそろりとなでていた。右手は、麻のワンピースの一番上のボタンを器用にはずし始めていた。
余裕なんてない、と言うけれど、こういうときの聡史くんは実にスマートだと思う。わたしがぼうっとしているうちに、いつもあっという間に服を脱がされてしまう。
初めての時は、一つひとつ尋ねてくれた。「嫌じゃない?」「脱がせていい?」と。でも、とても恥ずかしくて、ただ首を振ったりうなずくことしかできなかった。そもそも、羞恥のあまり消えたくなったのは確かだけれど、決して嫌だとは思わなかった。乱暴なことなんてまったくないし、なにもかもうっとりするくらい素敵だった。
今もそうだ。ボタンを4つ目まではずすと、果物の皮を剝くみたいに肩からするりするりとワンピースを脱がされる。キャミソールとブラジャーだけしか身に着けていない上半身が露わにされて、ぞくりとした。
ゆるくエアコンの入った室内は、むき出しの腕や肩には少し寒く感じるのだった。それに気づいてくれたように、聡史くんの両手が肩から背中、腕を何度も何度も往復する。温かい手にほっとしたのは一瞬だけで、どこか艶めかしいその動きに、触れられたところが次々と痺れていくようだった。全身が緩やかに感電したようで、どこもかしこもぴりぴりと敏感になっていく。
息が苦しい。どきどきして、酸素が上手く入ってこない。浅い呼吸を繰り返しても、緩やかな苦しさは加速するばかりだ。
耳や首筋を這っていた唇が再びほおを滑って、そのままわたしの唇に重なった。上唇、下唇、それから、唇全体をねっとりと食むように口づけられ、ちゅるっと音を立てて吸われて、そのまま舌が奥深くまで入ってきた。わたしも、夢中で応える。おずおずと舌を絡めると、待ちかねたように強く吸われた。
こっそり薄く目を開けてみると、いつの間にはずしたのか、眼鏡がなくなっていた。そっと聡史くんのほおに触れてみると、いったん唇が離れた。
「どうかした?」
「眼鏡は?」
「邪魔だからはずした」
「見えなくない?」
ふっ、と聡史くんが笑う。
「ちゃんと見えるよ。こんなに近いもの」
横向きで座っていたわたしの両膝と両肩の下に、するりと腕が差し込まれたかと思うと、そのままそっとベッドに寝かされた。ついでに、ブラのホックもさり気なくはずされて、緩んだ胸元にキャミソールの裾からすぐに手が滑り込んできた。
「あっ……」
ブラを押し上げた大きな手に胸全体を包み込まれて、思わず声が出てしまう。初めての時にも思ったけれど、これ、すごく恥ずかしい。何度こういうことをしても、やっぱり消えてしまいたくなる。なのに、実は気持ちよくて、ぞくぞくする。ぎゅっと目を閉じてやり過ごそうとするのに、勝手に吐息が漏れる。
そもそも、胸は大きな方ではない。これからもう少しは大きくなるのかもしれないけれど、今のところはまだ控えめなサイズなのだった。
男の人って、大きい方が好きなんじゃないかな、と心配になって、初めての時に訊いてみたのだった。がっかりしてない? と。そうしたら、聡史くんは大真面目にこう答えてくれたのだった。
『僕はひとみちゃんが好きなんだよ? 大きさとか、そういうのは関係ないよ。ひとみちゃんの身体はどこもかしこ全部好きなんだよ』と。
少しほっとしたけれど、やっぱりこうやって手で触られたり揉まれたりするのは、恥ずかしい。でも、それと同時にうっとりするほど心地よくもあって、頭の芯がぼんやりしてくる。気づくと、唇が半開きになって自然と声が出てしまう。
「んんっ……あっ……」
自分がどんな顔をしているのかわからないから、できることなら隠してしまいたい。そう思って手で覆おうとするのに、聡史くんは、絶対に許してくれない。
「だめだよ。見せて、顔」
あっという間に片手で押さえ付けられしまう。
「すごく可愛い……たまらない、その顔」
聡史くんの手が少し乱暴に胸を揉みしだく。もう片方の胸の先端には唇が落ちてきて、ちゅっと吸われた。
「やっ……あっ……」
「いや?」
わけもわからず首を振る。恥ずかしいけど、いやじゃない。
「いやじゃないよね? 気持ちいい?」
こくこく、と思わずうなずいてしまう。とっても気持ちいい。もっと、してほしい。もっと、もっと。恥ずかしいのに、じっと聡史くんを見つめてそんなことを思ってしまった。
「……ねえ、どうしてそんなふうに見るの?」
「そんなふう……って?」
思わず尋ねてしまうと、聡史くんはちょっと意地悪い声で言うのだった。
「誘ってるでしょ? 僕のこと」
「そ、そんなこと……」
してない、と言いかけると、覆いかぶさってきた聡史くんの両手が、左右両方の胸全体を包み込んできゅっと揉んできた。手が解放されたのに、もう顔を隠すことなど忘れて、わたしは喘いでしまう。
「あぁっ……んっ……んっ」
「ひとみちゃん、わかってる? いつも、そうやって……」
言葉と共に、唇が再び胸の先端を挟む。舌の先で焦らすように舐められて、ひっ、と喉の奥が鳴った。
「……とろんとした目で僕のこと見てるよ? それ、すごく……」
口に含まれた胸の先端が、そのままちゅっと吸われるのを遠く感じた。身体が勝手に撓る。びくっと震えて、身体の奥がはっきり疼いている。
「いやらしい顔だね。どうしてほしいの?」
「ご、ごめんなさい……あっ……んんっ」
恥ずかしくて、馬鹿みたいに首を振る。普段はすごく優しいのに、どうしてこんなこと言うんだろう、と困ってしまう。いつもの静かな声が、とびきり意地悪にわたしを攻めたてる。
「言って?」
「……もっと、して」
思わず正直に言ってしまうと、さらに聡史くんは尋ねてきた。
「これ?」
軽く歯を立てて胸の先端を挟まれる。相変わらず、胸全体が執拗に大きな手で包み込まれて弄ばれていた。
ああ、気持ちよくておかしくなりそう。でも―― さっきからずっと、身体の奥がじんじん疼いている。太腿を思わず擦り合わせてしまうと、胸の先端を食む唇から、ふっと吐息が漏れた。
「わかった。こっちだね?」
右手が胸から脇腹へとするりと滑って、お尻に触れた。あっ、と声が漏れると、躊躇なく、そのまま後ろから脚の間に指が滑り込んでくる。下着越しにくるくる撫でられて、勝手に身体がびくっと震えた。
もうすっかり濡れてしまっているのは、明らかだった。さっきからずっと、奥からあふれてくるのを感じていた。キスしている時から、ずっとだ。
「もうこんなふうになってるんだね。まだ触ってないのに」
「ご、ごめんなさい……」
「どうして謝るの?」
ごく自然に下着がずり下げられて、そのまま脱がされてしまった。焦っていると、両腕を引っ張られて上体を起こしたすきに、中途半端だったワンピースも器用に剥かれ、そのままキャミソールとブラまでするりと一緒に取り去られた。まとめて、さっきと同じくサイドテーブルに置かれたのが、気配でわかる。
ふう、と押し殺したような吐息を漏らす気配がした。静かな、でもどこか熱に浮かされたような悩ましい声がする。
「綺麗だね……本当に、すごく綺麗だ」
裸でベッドに座った格好のまま、ちゅっと胸の先端を再び吸われて、あわててぎゅっと目を閉じる。しばし手と唇で両方の胸を弄ばれてのけ反っていると、そのまま身体を倒された。恥ずかしくて目を閉じたままでいると、衣擦れの音がした。聡史くんも服を脱いでいるんだ、と思ったら、今更ながらにものすごく恥ずかしくなってきた。
再び、聡史くんが覆いかぶさってくる。何の隔たりもなく素肌が触れ合って、どきどきする。温かい身体の感触にうっとりしていると、深いキスが落ちてきた。躊躇なく奥深くまで舌を差し込まれて、何もかも奪いつくされるような口づけだった。両手が腕や肩、胸へと執拗に触れてくる。
ときおり、思い出したかのように首筋から耳朶を滑って、指が髪を梳いてくれる。わたし自身があまり気に入っていないくせ毛を、聡史くんはいつも褒めてくれる。ふわふわでかわいい、天使みたいだ、と。いつもなら、髪をなでられるとほっこり温かい気持ちになるのに、どこもかしこも敏感になってしまった今は、地肌を滑る指の感触にすら、ぞくりとするような快感が背筋を走るばかりだった。
口を塞がれていなければ、はしたなく喘いでしまいそうなほど気持ちがいい。んっ、と鼻から抜けるような音が漏れると、しばしのち、唇はほおへ、耳朶へ、そしてゆっくり焦らすように首筋から肩へ、胸へと下りてくる。そのままお腹の辺りをかすめて、太腿の辺りまで達した唇に焦っていると、一緒にゆるゆる下降してきた手も同じ場所を探っていた。
聡史くんの指が、脚の付け根にするりと入っていく。
「やっ……だ、だめっ……」
下着越しに触れられた時よりも、さらにそこが濡れているのは自分でもわかった。うっとりとため息交じりに聡史くんがつぶやいた。
「すごい……」
くちゅっ、と音を立てて、聡史くんの指が飲み込まれるのがわかる。とても濡れているからなんの抵抗もないはずなのに、びりっと電気が走ったみたいな感覚に身体が震えた。
「やぁっ……んんっ……」
ぐいっと奥まで入った指が、ねっとりぐるりと中をかき回す。むき出しの神経を弄ばれているような感覚に、脚ががくがく震えだす。
「気持ちいい?」
「んっ……うっ……んっ」
「これは?」
最初はゆっくり、次第に少し乱暴に指を抜き差しされた。動きに合わせて勝手に腰が動いてしまう。はぁっ、と肩で息をして、快感の波を必死で逃がす。
「もっとしてほしい?」
「うんっ……もっ……と」
「素直でかわいい」
圧迫感がさらに増した。2本に増えた指が、ぐいっと奥まで突き立てられたのだとわかる。思わずのけ反ると、今度は前にある敏感なところがぎゅっと押しつぶされるのを感じた。
「あぁっ……だ、だめっ……」
「嘘だね。だめなわけない。そんなに気持ちよさそうなのに」
ひどい、と睨んであげたいのに、どうにか開いた目をは、ただ聡史くんを見つめることしかできなかった。
「ねえ……どうしてそんな目で僕を見るの?」
ぐちゅっ、ぐちゅっ、と二本の指が抜き差しされる。敏感な前の部分には、指先がぐいぐい押し付けられたままだ。はあ、と聡史くんの呼吸が荒いのがわかる。静かだけれど、でもどこか責めるような聡史くんの声がする。
「ひとみちゃんは、いつもそうだ。いつも、いつも、そうやって」
「ご、ごめんなさ……」
「そんな目で誘って……僕をこんなふうにするんだよ」
全部、ひとみちゃんのせいだよ。
まるで叱られているみたいで、なんだか切なくなりかけていると、ぐいっと両脚を大きく広げられてしまう。指が引き抜かれるのと、聡史くんの唇がそこに触れるのはほぼ同時だった。ぬるっと中に舌が差し込まれて、目の奥が熱くなる。
「やぁぁっ……んっ……んっ」
ああ、こんなあられもない恰好、恥ずかしい。しかも、そんなところを口で――こんなふうにされるのは初めてじゃないけれど、本当に恥ずかしくてたまらない。なのに、とても気持ちがよくて、わけがわからなくなる。
ぺちゃっ、ぺちゃっ、と唇と舌が濡れた粘膜を弄ぶ音がする。両腕で脚を抱え込むようにがっちり固定されて、わたしはただその動きに翻弄されるばかりだった。
「もっ……だ、だめぇっ」
「イキそう?」
「わっ……かんなっ……」
「いいよ。そのまま、我慢しないで」
ずるっと引き抜かれた舌が、今度は敏感なところを吸い上げる。再び、指がぐいっと奥まで差し込まれるのを感じた。
「あぁぁっ……」
「すごい。奥の方、ぎゅうぎゅう締まってる」
「あぁっ……いっ……」
くちゅっ、くちゅっ、と乱暴に抜き差しされる指と、唇に吸い上げられた敏感な場所に加わる刺激で、もうわけがわからなかった。あまりに気持ちよくて、どうしていいかわからない。
両手を伸ばして、聡史くんの髪に触れる。ちょっと硬い髪の感触。それを遠く感じながら、身体がびくっと撓って目の前が真っ白になる。
聡史くんの指と唇でぎりぎりまで攻めたてられたわたしは、なすすべもなくただやみくもに喘ぎながら、白い世界に落ちてゆくだけだった。
はあ、はあ、と肩で息をしながら波が引いていくのを待っていると、聡史くんの手がほおに触れてきた。
「すごく可愛い顔。気持ちよかった?」
「……ん」
ろくに返事もできないでいると、すぐ隣に横たわったらしい気配がした。今度は、そっと髪を撫でてくれる。
「ねえ、続き、してもいい?」
続き、って、と考えかけて、あ、でも、そっか、聡史くんはまだ――と思い至って顔が熱くなった。
初めての時は、わたしだけが先にこんなふうにされてしまうことはなかった。
丁寧に全身に触れて、わたしが緊張しないように、痛くないように、すごく気を遣ってくれてそっと中に入ってきて、それでもとても痛がるわたしを宥めるように、ゆっくり動いてくれた。そのあとも、何度かは、そうやってすごく優しくしてくれた。
そのうち、わたしがこういう行為に慣れてくるにつれ、聡史くんは少しずつ意地悪になっていった。さっきみたいに、責めるようなことを言ってみたり、指と唇だけでわたしが先に上りつめるところをじっと見ていたり、なんだかすっかり聡史くんのペースに飲み込まれてしまっている。もちろん、そういう聡史くんが決して嫌いではないし、むしろ、普段と違ってちょっとどきどきするというのもあるし。
「いいよね?」
有無も言わせず、そのまま背後から抱きしめられた。お尻のあたりに、硬い感触があたっているのがはっきりわかる。ぼっ、と顔が熱くなる。
「う、うん……でも」
後ろから覗き込まれるようにちゅっ、と口づけられる。そのまま唇は耳を食み、耳朶をちゅるっと嘗めて、首筋へと滑る。背後から抱きしめられる格好で、両方の胸をきゅっと揉まれる。
「あっ……」
「ねえ、ひとみちゃん。なんだか、前より大きくなった気がする」
「そ、そうかな?」
確かに、近頃ちょっとブラがきついような気もする。カップのサイズ、ちゃんと測ってもらった方がいいのかな、とぼんやり思う。
「揉むと大きくなる、って本当なのかな」
冗談なのか、本気なのか。口調からはよくわからない。まるでお仕事の時みたいに真面目に考えこんでいるようにも思えて、なんだか可笑しくなってきた。
「聡史くん、やっぱり大きい方がいい?」
「そんなことないよ。ひとみちゃんのなら、なんでも好きだし」
しばらくわたしの胸をきゅっ、きゅっ、と弄びながら、うっとりしたように言う。
「すごく柔らかくて、癒される」
「そうなの?」
「うん。触ってると、すごく気持ちいいし。ひとみちゃんも、触られると、気持ちいいよね?」
くるくる、と指で先端部分をこねられて、びくっとしてしまう。
「そ、それ……あんまり強くされると」
「痛い?」
「え、と……な、なんだか変な感じなの」
「気持ちいいってこと?」
「え、えっと……ただ、気持ちいいっていうか……」
ぞくっとするの、と言うのは、さすがに恥ずかしい。でも、執拗に続けられて、ふう、と変なため息みたいな声が漏れてしまう。
「可愛い声だね。やっぱり気持ちいいよね?」
なんだか妙に嬉しそうな声だった。
「もっと気持ちよくしてあげる。いい子にしてて」
え、と思う間もなく、片方の手がするりと脇腹を滑り、そのままお尻を撫でる。きゃっ、と思わず悲鳴みたいな声を上げてしまうと、聡史くんがまたしても嬉しそうに言った。
「可愛いなぁ……こっち、もう触って平気かな」
するりと指が太腿を滑って、濡れたそこを撫で上げる。まだ、さっきの余韻でじんじん疼いているそこは、未だにたっぷり濡れたままのようで、浅く指が入ると、くちゅっと音を立てた。
「あっ、待って……まだ……」
「でも、もう待てない」
ぐっ、と躊躇なく差し込まれた指でぐるりと再び中をかき回されて、反射的にのけ反った。
「やっ……あぁっ……」
ほぐすように何度かかき回され、抜き差しされる。くちゅっ、くちゅっ、といやらしい音がする。
「ごめん……もう、挿れるね」
あ、待って、と言う間もなく、後ろからずぶりと聡史くんが入ってきた。濡れてるから、途中までは抵抗なく入ってきて、そのあとは粘膜をぐりぐりめくりあげるようにして、中をこじ開けられている気分だった。ぐっ、ぐっ、と押し上げるようにして、一気に奥まで入ってくる。
「あぁぁっ……」
「はぁ……ひとみちゃんの中、すごく気持ちいい……」
聡史くんのうっとりしたような声に、なんだか体の芯が蕩けていく気がする。
お腹の中が聡史くんでいっぱいにされている。恥ずかしくもあるけれど、すごく幸せだ。とてつもない圧迫感でめまいがしそうなのに、それでもやっぱりとても気持ちがいい。
そして、好きなひとがわたしの身体でこうやって気持ちよくなってくれている、と思うと、幸せすぎてどうにかなりそうだった。
「今日、帰ってきた時から、ずっとこうしたかったんだ……」
言いながら、ぐっ、ぐっ、と聡史くんはゆっくり動き出した。
「充電……したくて……」
「もうっ……あっ……あっ……」
熾火のようなさっきの余韻に、とたんに火が点いた。
じんじん疼く中を擦られて、すさまじいほどの快感が背筋を駆け抜ける。
両手でウエストのあたりを掴まれて揺さぶられ、抜き差しされるたびに、ぐちゅっ、ぐちゅっ、といやらしい音がする。しかも、少しずつその動きが速くなる。
「ひとみちゃん……気持ちいい?」
「んっ……すごっ……きもち……い」
「よかった。僕も……」
つながったまま、うつ伏せにされた。
「そのままでいいよ。楽にしてて」
ぺたん、とうつ伏せのままぐいっと腰だけ持ち上げられた。脚を広げていないから、無理やりこじ開けられる感覚がさらに増した気がする。狭いところに、無理やりぐいぐい押し込まれる感覚に、大きな声で喘いでしまった。
「あぁぁっ……」
「痛い?」
「んっ……んっ」
「きつっ……はぁ………」
ずん、ずん、と後ろから突かれて揺さぶられるまま喘ぐしかない。それほど奥まで入っていないのに、ちょうど入口からさほど遠くはない内部の敏感なところにぐりぐり当たって、めまいがしそうなほど気持ちいい。
聡史くんの手が太腿を滑って、つながっている部分をするりと撫でたかと思うと、そのまま前に回って、一番敏感なところを指でくるくる刺激し始めた。びりっと電気が走ったような感覚が駆け抜けて、脚ががくがくする。
「いやぁっ……あぁっ……んっ」
「すご……今、中ぎゅうぎゅう締まってる……」
無遠慮にぐっ、ぐっ、と突かれながら、敏感な部分を指で押しつぶされて、なすすべもなかった。
前触れもなく、突然、目の前が真っ白になった。びくっと身体が勝手に撓る。
「あ……イっちゃった?」
ずるっ、といったん引き抜かれて、そろりと仰向けに寝かされた。
はあ、はあ、と息があがってろくに口もきけないわたしに、聡史くんはそっとキスをしてくれる。
「ひとみちゃん、今日、なんだかすごいね」
嬉しそうにそんな台詞を言いながら、ちゅっ、とほおにもキスをくれる。
「ひとみちゃんも、ご飯より、こっちがよかったんだね?」
ひどい、と抗議したくても、ゆるゆる目を開けるだけで精一杯だった。
目が合うと、聡史くんはどこか苦しそうに、ふう、と息を吐いた。
「ね、そんなふうに見ないでって、さっき言ったのに……」
そんなふう、って、どんなふう?
困惑が伝わったのか、聡史くんはわたしの髪をそっとなでてくれた。
「とろん、とした目。すごくえっちな顔」
「そ……んなぁ」
はぁ、と肩で息をしながら、睨んでやろうとするのに、目の前がぐらぐらして、なんだか焦点が定まらない。
「知ってる? ひとみちゃん、そうやって僕のこと誘ってたって」
苦しくて言葉にならないから、ただ首を振る。
誘ってなんて、ないのに、と。
「横浜の教会に泊まってたとき、夜に僕の部屋に来て、いつもそういう目をしてたよ」
さっきとは打って変わって、聡史くんは淡々とそんなことを言う。意地悪な声色でもなく、本当になんだかいつも通りの聡史くんの静かな声だった。
「苦しかったよ。すぐにでも、全部脱がせて、好きにしてしまいたかった」
聡史くんが? ちょっとびっくりしつつも、そういえば、結婚式の少し前に、そういう流れになりかけたことがあったかも、と思い出す。初めて深く口づけられて、そのままベッドに押し倒されて――あのまま、身も心も聡史くんのものになってしまってもいい、と確かにぼんやり思っていた。
ふっ、と聡史くんが微笑んだ。もう、いいんだけど、と独り言みたいにつぶやく。
「ひとみちゃんの全部、僕だけのものだから」
「うん……好きにしていいんだよ、わたしのこと」
手を伸ばして、聡史くんのほおに触れた。
「いっぱい、充電してね。好きなだけ」
「ひとみちゃん……」
困惑したようにつぶやいてから、聡史くんはふう、と息を吐いた。どこか、苦しそうに。
「ねえ……お願いだから、そういうの、あんまり軽々しく言わないで?」
「え?」
「そういうかわいいこと言うと、もう、本当に我慢しないよ?」
我慢、してないでしょ、そもそも、と抗議しようとすると、おもむろにぐいっと両脚を抱え込まれた。膝立ちになった聡史くんに、そのまま一気に貫かれる。めりめり、と中の壁が擦られて目の奥に火花が散ったような気分だった。
「あぁぁっ……」
「ああ、中、本当にとろとろだね……でも、すごくきつい」
胸の前でわたしの両脚を抱え込んだまま、ぐいっと腰を前に進めて奥まで押し込んでくる。さっきまでよりかなり奥まで入って、すごい圧迫感でうまく息が吸えない。口がぱくぱく動いてしまう。
「はぁっ……気持ちいい……すごく」
ぐっ、ぐっ、ぐっ、とだんだん速度を増す動きに、酸素が足りない頭はぼんやりして、目の前は霞むばかりだ。ぐらぐらする視界の中で、聡史くんの顔が心配そうに曇っているのが辛うじてわかる。
「ひとみちゃん……苦しいの?」
うん、うん、と馬鹿みたいに首を縦に動かすと、抱えあげられていた脚がそっと下ろされて、聡史くんの膝を挟むような格好になる。つながったまま、前かがみになった聡史くんの両腕がわたしの背中に回って、ゆっくり上体を起こされる。気づくと、聡史くんの膝に跨って座る格好にさせられてしまった。自分の重みで、聡史くんを根元までしっかり飲み込んでしまっている。
こんな格好、恥ずかしい――と思っていたら、心配そうに聡史くんの両手が背中を撫でてくれる。
「ゆっくり、息を吸ってごらん」
言われた通りにすると、ようやく視界がはっきりしてきた。
「あまり力入れないで、楽にして。僕につかまっててね」
言われた通り、両腕を聡史くんの背中に回してしがみつく。
優しい言葉にほっとしたのもつかの間、腰を両手で掴まれて、揺さぶられ始めた。
「あぁぁっ……だっ……めぇぇっ……」
「どうして? もう……苦しくないでしょ?」
「そうっ……だけどっ……やぁぁっ」
ぐっ、ぐっ、と奥を突かれるのと同時に、動きに合わせてちょうど敏感なところが擦られてしまう。両方同時に攻めたてられて、すごく辛い。心地いいのを通り越して、怖くなりかけていた。
「これっ……へんっ……になるぅっ……」
「いいよ。見ててあげる……」
動きに合わせて、そんなに大きくもないわたしの胸がふるっ、ふるっ、と揺れるのがわかる。いつのまにか、そのくらい動きが激しくなっていた。ちょっと乱暴に聡史くんが胸にむしゃぶりついてくる。ちゅっ、ちゅっ、と無遠慮に胸の先端を吸われて、わたしはわけもわからず喘いだ。
「あっ……んんっ……もうっ……いっ……やぁぁっ」
「ああ……すごくかわいい、ひとみちゃん……」
うっとりそんなふうに言いながら、ぐいぐい奥を突く動きは決して止まらない。少しずつ速くなってさえいた。
「ねえ……気持ちいい?」
「んっ……んっ……」
「僕も……すごく気持ちいい……はあ」
目を開けてみると、悩まし気に目を閉じた聡史くんがいた。いつもとは、全然違う顔。でも、すごく素敵だ。わたしと繋がってこんなふうに乱れる姿に、なんだかどきどきしてしまう。
「ねっ……さとし……くんっ」
「なに……?」
「キス……して?」
すぐに、唇が重なった。ちゅっ、と強く舌を吸われて、頭の中が蕩けそうだった。
ああ、とっても幸せ。本当に、バターみたいに溶けてしまいそう。
上も、下も、ぴったりつながったまま、そんなふうに思っていると、ふと、唇が離れて、聡史くんが苦しそうにつぶやいた。
「ごめっ……もう、出そう」
「んっ……んっ」
「もうちょっと……我慢したかったけど、無理だ……」
全部、ひとみちゃんのせいだよ――
そんな理不尽な台詞と共に、聡史くんが一瞬、ぶるっと震えた。
わたしも、もうとっくに限界だった。肩にしがみついたまま、目の前ではじける白い光にそのまま身を委ねた。
しばらく、つながったまま抱き合ってぼんやりしていた。はあ、はあ、とわたしも聡史くんも呼吸が乱れて、動けなかった。
どろりと何かが絡みついたかのように全身が重かった。ふと、手がほおに触れて、顔を上げさせられた。ゆるゆる瞼を開くと、さっきまでと打って変わって穏やかな目をした聡史くんがいた。なんだかほっとして、その唇に小さくキスをする。そっと優しく触れ合うだけのキスを何度か繰り返したのち、少しだけ深く唇を求め合った。
そんな優しいキスのあと、ゆっくり身体が持ち上げられる。ずるりと引き抜かれるのと同時に、どろっと白い液体があふれ出てきた。
「あ、ごめん。ちょっと待ってね」
枕元に手を伸ばしてティッシュを何枚が引き出すと、聡史くんが優しく拭いてくれた。
「あーあ。この調子だと、すぐ家族が増えそうだ」
「……だといいな」
「うーん……」
聡史くんは複雑そうな顔になる。ちょっと心配になって、尋ねてみる。
「聡史くん、子ども、ほしくない?」
「いや……ほしいよ。ひとみちゃんとの子どもだもの、たくさんほしい」
でも、と聡史くんは小さくため息をついた。
「しばらくは、二人きりでいたいかな。こうやって、思う存分、ひとみちゃんと仲良くしていたい」
結婚前に、子どもがすぐにでもほしい、と聡史くんには伝えていた。聡史くんも別段反対はしなかった。ひとみちゃんがいいならそうしよう、と。だから、避妊はせずに、授かるのを待とう、ということになったのだった。
聡史くんは、ちょっと心配そうに訊いてくる。
「ひとみちゃんは、子作り目的じゃなくて、こういうことするのは、いやかな?」
「そ、そんなことないよ」
わたしはあわてて首を振った。
「聡史くんのこと、大好きだもの。だから……ただ、わたしとこうしたい、って思ってくれるだけで……うれしいよ?」
「そう。それなら、いいんだけど」
ふっ、と聡史くんは少し恥ずかしそうに笑った。
「じゃあさ、次は、ゴムつけていい? じゃないと、ひとみちゃんの中も、汚れちゃうし。シーツも汚しちゃいそうだし。正直、変なにおいするから嫌じゃない?」
わたしはぎょっとした。
「え……ちょっと待って。次って、あの」
「ああ、もちろん、ご飯のあとでね。さすがにお腹空いたし」
さっと自分の下着とTシャツを身に着けてから、わたしの下着とキャミソールを取ってくれた。
「お風呂、一緒に入ろう? そのあと、ご飯食べて……それから、また、ね?」
サイドテーブルの上の眼鏡をかけた聡史くんは、いつものように優しく微笑んでいた。台詞と、眼鏡の奥の綺麗な目が全くちぐはぐに思えて、軽く混乱しそうになる。
「あ、あの……ほ、本当にあとで、また、するの?」
「いや?」
「いや、じゃ……ないけど」
正直、今のでわたしはとっても疲れてしまったのだった。
「えっと……本、読まなくていいの?」
「今日はいいよ。せっかく早く帰れたし。ずっと寂しい思いをさせたから、ちゃんと埋め合わせをしたい」
大真面目に言われて、ああ、もうこれは諦めるしかないな、とわたしは悟った。
聡史くんは、本当に真面目なのだ。勉強やお仕事だけじゃなく、なんにでも、いつだって、大真面目だ。
する、と決めたら絶対にするひとだ。だから、これまで研究でも成果を上げてきたのだ。
だから、こういうことも――冗談でもなんでもなく、する、と言ったらご飯のあとで、またするつもりなのだ。本気で、大真面目に。
「今、あんまりもたなかったから、ひとみちゃんに、物足りない思いをさせたかな、と申し訳なくもあるし」
「ぜ、全然、足りたよ?」
「いや、そんなことないでしょ。というか、僕自身がなんとなく面目ないから」
またしても大真面目に聡史くんは言うのだった。
「それにさ、さっき、ひとみちゃん、言ってくれたよね」
「え?」
「いっぱい充電してね、好きなだけ、って」
ああ、確かにそんなこと、言ってしまったかもしれない。
「それに、『好きにしていいんだよ、わたしのこと』って言ったよ?」
「そ、それは……」
雰囲気に飲まれました、だなんて、とても言える感じじゃない。
気のせいだよ、だなんて誤魔化しが、この聡史くんに通用するはずもない。
「責任、とってね?」
眼鏡の奥で、すうっと目が細くなる。
大好きな優しい笑顔も、今ばかりはうっすら怖いと思えてしまう気がしたのだった。
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