第21話
家のなかに入るとても広くてシンプルな家だった。
「さあ、ソファーに座ってちょっと待っててください。飲み物持ってきますので。」
男の人は小雪をクッションの上に置いてキッチンに行ってしまった。
「奇麗な家だね」
真里はさくらにこそっと言った。
「そうだね」
さくらも真里にこそっと言う。
するとなんぼもしないで男の人は飲み物を二つ持って戻ってきた。
「さあどうぞ。」
男の人は笑顔で二人に飲み物を渡した。
「ありがとうございます。」
「あ、ありがとうございます。」
飲み物を受け取ると男の人は二人の向かい側に座った。
「小雪をどこで見つけたのです?」
男の人は小雪を撫でながら二人に聞く。
「街中の建物の影にいましたよ。」
そうでしたかと男の人は小雪に遠くまで行ったなと話しかけていた。
「普段街中に行くことってあるんですか?」
さくらは男の人に聞いたが街中に行ったのは初めてだと言った。
「よかったら名前を教えていただけませんか?僕は雪城智也と言います。」
「あ。私は上野真里でこっちが空さくらです」
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