第20話

「ここか!」


着いた家は大きくて立派な家だった。


「…どっちがチャイム鳴らす?」


真里はさくらの背中を押した。


「え!?私!?」


さくらは嫌だよと言って真里の後ろに行く。

何回かそれを繰り返すとさくらは諦めてチャイムを押すことにした。


「ピンポーン」


一回ならすと家から一人の男の人が出てきた。


「どちら様でしょうか?…小雪!!」


男の人は真里が抱きかかえている子猫に手を伸ばした。

どうやら子猫は小雪というらしい。


「あ。すみません小雪を連れてきてくれてありがとうございます。」


男の人は真里から子猫を受け取り二人にお礼を言った。

二人は子猫によかったねと微笑みかけてバイバイをしようとした時に少し中に入っていきませんか?と男の人に言われた。


「いえ、ご迷惑になると思うので!」


真里は申し訳なさそうに言った。


「いえ、お礼をさせてください。」


男の人は小雪を抱きかかえたまま二人の手を引っ張って強引に家の中に招き入れた。


「じゃ、じゃあ少しだけ。」


さくらがそう言うと男の人は笑顔でありがとうございますと言った。

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