第10話

「…もしさ、里都ちゃんがよければ俺と付き合わない?」


里都は「は?」と、思わず時也に言ってしまった。

この人は一体何を考えているのだろう。

若奈という彼女がいながら頭がおかしいのではないか。


「あの…どういう事ですか?」


時也にきつい口調で問う。


「いや、若奈とは別れるし最初から里都ちゃんのほうがかわいいなと思ってたんだよね」


時也の話を聞いているうちにどんどんこの人を殴りたい衝動に駆られてきた。


「…若奈に悪いのですみません」


里都がそう言うと若奈とは別れるからとしつこく言ってくる。

それに対して里都も譲らず断り続けていく。


「どうしてそんなにひどいことできるんですか?若奈に失礼だと思わない?」


里都は半分キレながら時也に言ったが若奈なんてどうでもいい。

里都ちゃんがいいんだ。と、言ってくる。

そしてあーだこーだ言ってるうちに別れ道につき、時也は考えておいてね。

そう言って帰っていった。


里都は明日どんな顔をして若奈と会えばいいんだろう。

時也はいつ若奈に別れを切り出すんだろうと考えてると

一睡もできず次の日を迎えてしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る