第2話 バトルの開始、そしてチームの始動
「三、二、一、ゴー」
スタートの合図と共にサイドブレーキを解除し、フルスロットルでスタートした。相手は昭和の名作、マツダのRX-7のFC3Sであった。4WDの加速で相手を引きはなしていく。しかし、相手も負けじとケツに食いついてくる。最初のヘアピンカーブで思いっきりブレーキを踏み込む。しかし相手は余裕そうにブレーキング勝負で前に出た。そしてそのまま後輪を滑らせドリフトした。多少不安定ではあるもののそれはとても圧巻であった。そのまま抜かれて相手は見えなくなってしまった。そのまま惨敗した。悔しかった。その場で僕は走り屋になって地方を統一するまで頑張ることに決めた。
その日は夜も遅かったので近くのホテルで夜を過ごすことにした。
翌日、僕のヤリスをゴリゴリにチューニングしようと心に決めて、チューニングパーツをスマホで調べることにした。しかし、一九〇〇年代にはまだネットが普及しておらず、googleにもアクセスすることはできなかった。メモを買おうかとも思ったけど、クレジットカードが使えなかったから、あえなく小銭を叩いて買うことにした。ポケットに入るサイズのメモ帳と、ボールペンを買うと、残りのお金は二千円になってしまった。
「とりあえずお金ないし、バイトでもするか」
家の問題は僕のおばあちゃんの家に行って詳しく説明すればなんとかなりそうなので、とりあえずおばあちゃんの家に行ってみることにした。
おばあちゃんの家に着いてチャイムを鳴らすとそこにいたのは、僕のお母さんだった。若い感じのお母さんではなくて、いつもの見た目の。僕はとても驚きつつも、
「なんでここにいるの?」
と聞いた。
「なんでって、昼寝してて起きたらここにいたのよ」
どうやらここに飛ばされたのは僕だけじゃないみたいだった。話はお母さんがつけてくれていたから、すぐに荷物を室内に運んで、家の中の一部屋を自分の部屋として定住することにした。お金の面は、おばあちゃんがまだ現役で働いているから、食費と家賃は任せるとして、自分のお金が全くなくなってしまうと不便だから、近くの八百屋で働くことにした。面接はほとんどなくて、その日から働くことになった。
おばあちゃんの家にはパソコンがあったからネットには一応アクセスできるけど、何もできなさそうだった。八百屋の仕事は客引きと品出し、レジくらいで、そこまで仕事量は多くなかったけど、あまり慣れない仕事だから一週間やった後の土曜日には疲れが溜まっていた。季節は夏。だけどまたエアコンがない部屋だったため、扇風機だけでこなしていた。八百屋の手取りが大体十三万円だから、三万円を家に納めて、自分の手に残るのは十万円。全て貯金した。そうしたら、八百屋の仕事を初めて三ヶ月後には30万円とちょっとが溜まった。
「チューニングパーツを買いに行くか」
ということで、近くのチューニングショップに行き、GCG28R ハイフローターボを取り寄せた。三十万円全て使って購入した。
一週間後、家に到着した。運良く仕事の帰りに過去に飛ばされたから、道具は全部持っていたため、すぐに改造を開始した。純正ターボを外し、規格が合うように取り寄せたパーツを噛み合わせ、ボンネットに押し込む。決まったトルクでボルトを締め、しばらくしてチューンが完了した。
「ヨッシャ完成!」
また近くのチューニングショップに行き、馬力を計測させてもらった。計測には五分ほどかかった。思いの外早く終わって数値を確認すると、
「よ、四百二十馬力⁉︎」
なんと馬力が百二十もアップしていた。家に帰る途中の信号待ちでクラッチを踏み、アクセルを踏み込んで空ぶかしをする。"ヒュルルルル…"という大きな音がエンジンルームから運転席にダイレクトに聞こえてくる。
「これであの走り屋にも勝てるかもしれないな」
そう思い、来週はあいつらにリベンジマッチを申し込むことにした。
ーそして訪れた週末。自慢のヤリスに乗り込み、出発する。緊張からか、手には汗を握っていた。例の峠に到着した。車から降りて、この間のやつに勝負を申し込む。
「この間のバトルのリベンジや!」
「ヘッ、この間俺に惨敗したくせに何言ってんだコイツ笑」
鼻で笑われたけど、僕はそんなんで引っ込むようなやわなやつじゃないからこう言い返した。
「このバトルで買ったら僕に土下座して謝ってもらうからな」
相手は承諾してバトルのスタートラインに車を移動させた。急いで僕も車をスタートラインに空ぶかしをして威嚇ながら移動する。ものすごいターボの音でビビっていたけど、僕は負けられないからそんなもので気は抜かない。
「三、二、一、ゴー」
リベンジマッチがスタートした。相手はこの間のR-7のFC3Sだ。4WDの加速でどんどん相手を離していく。そしてこの間抜かれた最初のカーブに差し掛かる。
「ここだ!」
僕はフルブレーキングする。ブレーキング勝負ではやはり相手の方が一枚上手だったけど、それでもコーナリング速度は僕の方が断然上だった。しかし相手も頑張って食らいついてくる。そして、二つ目のヘアピンカーブに差し掛かる。
「オラァ」
僕はクラッチとブレーキペダルを踏みながらギアを落とし、コーナーに差し掛かる。そして僕はここでサイドブレーキを引いた。後輪が滑り出す。ブレーキを右足のつま先で踏み名がらアクセルを踵で吹かすヒールトゥをしながらクラッチを一気に繋いでドリフトの体制に入る。ハンドルを逆に回し、アクセルを思いっきり踏み込んだ。後輪が空転する。そのまま上手くコーナーを抜ける事ができた。そのまま相手を引き離して勝利した。
「初勝利だイエィ」
喜びながらスタート地点に戻ると、さっきの相手とその仲間が土下座しながら
「ずびばぜんでじだぁ」
と謝ってきた。少し引きつつも、
「もういいけど、このチームは俺が統べるからな。」
「わがりまじだぁ」
なんて二つ返事で承諾してきた。なんでチームに入ったかっていうと、グループの方が行動しやすいし、アシストがいた方がいいと思ったからだ。どうやらさっき戦ったFC3Sのやつがこのチームで1番強いやつだったらしい。今日はもう十時を回っていたから、流石に帰ることにした。
「そういうことだから、よろしく。まあとりあえず今日は僕は帰るわ。」
と言って帰った。さてこれからどうやってチームを統一すればいいのか。今後のことを考えながら、帰路についた。
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