神殺しの無双方式

武河原 黒露樹

第1話 奪われる

2011年5月6日

カタギリ・ヤノは齢17歳の誕生日を迎える。

家族が机を囲み、大親友である「フウマ・ナオノ」と「トモノシン・クロノ」と、高校に入り知り合った「ユカ・タカノ」と「モモ・マキノ」も笑顔を見せて祝福している。

「カタギリ、誕生日おめでとう!!」

フウマは手を叩きながらカタギリの近くへ身を寄せる。

「俺らの先輩だな!カタギリせんぱーい」

ニヤニヤしながらとかトモノシンは先輩とカタギリを呼ぶ

「先輩って言ったって、誕生日が少し早いだけだろ?」

カタギリは笑いながらツッコミを入れた

なんと微笑ましい雰囲気なのだろう、この時間は続いて欲しいものだと、深くカタギリは心に響いた。

するとテレビのひとつの記事に目が入り、全員が注目してテレビを眺めた。

【速報です、宗教団体の勢力は拡大を広げ、アロト総伝教は教壇を構えるカナダを統べ、隣国のアメリカ合衆国との紛争状態まで発展しました、おそらく、戦闘家系を中心とする宗教団体である北山神人教・アロト総伝教・クドロ聖教団・Rxt教・メングロード宗は戦争を巻き起こす可能性があると考え、日本も他人事とは考えられない状況となってまいりました、警察や自衛隊が全身全霊で教壇位置を調べ、制圧を試みています、念の為最善の注意を払う事をお願い致します。】

戦闘家系を中心とする宗教団体は北山家・アドロント家・クロード家・Rxt家・メング家を中心としている。

全て神を崇拝することは同じなのだか、崇拝の方法や意見の食い違いがあり、対立を深めている。

北山家は日本に位置し、教壇位置も信者の数も明らかになっていない完全に覆面で危険な団体である。

「こりゃまずいんじゃないか?」

テレビを見ていたカタギリの父親が話を切り出した。

「戦闘家系って事は、神を使った魔法のような攻撃方法の【神器】を所持しているんじゃないか?その場合は紛争になると、死者がどれだけ出ることか……」

神器とは、戦闘家系に伝わる神の力を宿いし伝説の武器の事である。

「神器って、小さめの都市なら軽く一撃で吹き飛ばせる威力があるんでしょ!?」

俺は声と息荒らげて手を広げて言った。

「バカっ!そんな声を荒らげたら!」

ドンドンと扉が叩かれ、突き破り約10名の白い修道着を纏い顔が隠れた男だと思われる人物が押しよってきた。

「なっ、なんだお前ら!!」

フウマと俺はユカとモモを後ろにし守る形で体を広げる。

「おーいアツシ・ヤノさん?逃亡できたと思いですか?」

1人の修道着を纏った人物が質問をする。

すると母親が声を荒らげた

「私たちは付き合いきれません!!もう散々と言ったはずです!!」

すると銃声が鳴り響いた。

イ"ヤ"ァ"ーーーー!!!!

ユカとモモは悲鳴をあげた、無理もない、母親の胸元にひとつの風穴が開き、血が吹き出した。

「母さん!!」「エリさん!!!!」

「エリ!!!!!」

俺とフウマと父親は母さんの近くに寄り添い、傷を抑えて血を塞いだ、止血を図るが、父親の頭にひとつの穴が空いた。

「父さん!!!フウマ!!母さんを頼む!」

フウマに母親の止血を頼み、父親の脈を見る、

「死んだ……………父さん…………」

そして俺に向けて銃を発砲した男は驚愕した、本来なら風穴が空いているはずの俺の頭は何事もない、弾丸がたどり着いてすらいない

「なっ……何ぃ!?」

俺の頭の前にはバリアのような物が出現し、攻撃を防いだ。

「もう不意打ちには応じないぞ……!!!」

俺は目を見開き、父さんの首につけていたネックレスを外し、叫ぶ

「光れ!神器!!」

神器と呼んだそれは代々ヤノ家に受け継がれてきた光の神器である。

俺の胸ポケットから取り出した勾玉を固まっているフウマ達へ向かい投げ、先程俺を守ったバリアを作り囲んだ。

「お前らを……、俺は許さない」

神器は更なる光を発し、毛は逆立ち、物体は浮き、雨雲は集まる

「ハァァァッッ!!!!!」

雷が力強くカタギリへと落ち、それを全方向に発し爆発を引き起こす。

先程前にいた10人の北山神人教と思われし信者は跡形もなく焼け消え去った。

「お前、、、お前の家系は戦闘家系なのか?」

フウマは俺に困惑のまま何とか声を絞り出したように俺に言う。

「矢野家は代々雷を操る神、雷神を継ぐ家系、雷神を操る神器を持っているんだ、今まで黙っててごめんな、」

俺は申し訳ない気持ちを直ぐにかき消すに値する光景を目撃した。

俺の住む地区が、粉々な悲惨な状況になっていた。


紛争が始まったのだ


「おかしい……、俺の攻撃だけじゃ町ひとつは吹き飛ばせない!!おそらく、父さんが家に付与していたバリアにより神器の攻撃を防いだんだ!!俺のパーティーで騒がしくしていたから多少の爆発音はクラッカーなどで聞こえない!」

俺は決意した、1人でもやってやろうと強く心にきざめる程に


「俺は、反宗教団体を作る。」


「反宗教団体!?」

みんなは驚き声を上げた

「俺は家族を殺され、自分たちが生まれ育った街を破壊された、復讐に全然理由になる、矢野家が北山家を滅ぼす、あわよくば、問題を起こしている5つの戦闘家系の宗教団体を滅ぼす!!」


復讐のために、この世を守るために、生きるために、俺は誓う。

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神殺しの無双方式 武河原 黒露樹 @otakubros85

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