政略結婚というと、現代人の感覚からすればあまりいい印象を覚えないと思います。
個人の自由意思が介在せず、望む相手と結びつくことが許されない、単なる政治的な結びつきのための結婚。
そこに愛等あるわけもなく、むしろ愛という概念すら希薄であり、女性の価値は美貌と子を産むことを有した、自身のステータスアイテムのようなポジションなわけです。
ある意味軍事的な戦略のような側面もあり、女性を駒のように扱う行いでありますが、まあ当時の女性の地位からするとむしろそれが女性の価値とまで考えられていたので、一概に現代的価値観でその心中を察することはできないわけですね。
本作の主人公も、そんな愛なき政略結婚のために嫁ぐことになった境遇の女性なわけですが、相応の覚悟を持っていた割には、お相手はどうも思っていたような人物と違った様子。
根っからの武人であるからか、かなり割り切った考えをしています。
そんな二人なので、夫婦であるようで夫婦でないような、何とも奇妙な間柄となります。
これは、そんな二人が真実の愛を知り、本当の夫婦になるまでの物語。
このロマンスの行く末、その目でお確かめください。