第17話

「…咲さん、……夏咲さん?」


「あ、はい!?」


「聞きたいことがあるからここに座ってくれる?」


「分かりました。」


茶髪王子に言われたように、美少年さんと茶髪王子の前の椅子に座る


聞きたいことは沢山あった

私はなぜココに呼ばれているのか

なぜ貴方はそんなに冷たい目で私を見るのか


ああもう、私をそんな目で見ないで

そんな思考がぐるぐると頭を支配する


…落ち着け私。私はここで目立たつ過ごすの


だから穏便に平和に。


「あの、私はなんで呼ばれたのでしょうか」


「そんなに、急がないで夏咲なつさき 紬希つむぎさん。まずは自己紹介をしようか。」


あれ?私、名前教えたかな…


「俺は、天ヶ瀬あまがせ 涼玖りく。それで、隣か………」


「……………。」


茶髪王子こと天ヶ瀬 涼玖 が隣の美少年さんを見てため息をはく


「ごめんね、夏咲さん。こいつ口数少ないんだ」


「いえ、大丈夫です」


「そう。なら、俺が紹介するね。こいつは八神やがみ 晴久はるひさ


「そして、向こうの薄紫の髪が…」


天ヶ瀬 涼玖はお色気イケメンに視線を向ける


「俺は うしお琉椰りゅうや。オネーサン、案外やるねぇ」


お色気イケメンこと潮 琉椰が挑発的に私を見る


「結構、図太いんじゃねぇーの?」


確かに図太いかもだけど、、

そもそも貴方たちか私を連れてきたから

反論しようと口を開く


「琉椰」


「へいへい。何も言わねぇよ。そんなに睨むなよ涼玖」


チラッと天ヶ瀬涼玖は潮琉椰を睨み、銀髪の男へと視線を向ける


「さ、次はそこの銀髪。」


「もーう!!銀髪って扱い雑だよりっくん!?」


「俺は、仁奈にいな 望央みお。好きな物はオムライス!さっきは話し込んでてごめんね 」


か、か、か、かわいい!!!!!!!

キラッキラッな笑顔最高にきゅるんとした目にコテンと首を傾げるあざとさ


…家に帰ってエプロン着た姿で出迎えられたい。






「つむちん、おかえりなさい。ご飯にする?お風呂にする?それとも──────」


頭の中でコテンと首をかしげたエプロン姿の望央を想像する

やっぱり可愛すぎる




「…お嫁に来ない?」


「え?つむちんのお嫁!?」


「うちに来て欲しいよ、この子」


「時給、1万だせるよ」


「え、え?1万!? いや、俺は男だし嫁は」


アタフタしてる仁奈たん可愛い

天使!!


そうこう二人で騒いでるうちに優しい声色が聞こえた


「次の自己紹介は俺だな?」


「…あ、」


口をパッと抑える

ヤラカシタ、仁奈たんが可愛すぎて嫁へ勧誘してしまった


「えっと、、あはは。お騒がせしました…」


クスッと彼は笑い屈んで私と目を合わせる


「俺は志々田ししだ あらた。騒がしいとか気にするな、夏咲は可愛いものが好きなのか?」


目の前の新に私は一瞬息を止める


…ふぅ。深呼吸をしよう。


「そうなんです、私可愛いものが大好きで」


「そうか。よかった」


そう言って新は私の頭を撫でた

その時の新の顔はたぶん、とても優しい顔をしていた








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