第14話

「お、お邪魔します」



部屋に入った瞬間、私は足を止めた


どこかの広いホテルか家かみたいでここが学校だと忘れそうになる


広っ!?広すぎでしょ!

しかも何あのソファー!何かゴージャス!!存在感すごいよ!

それに、もっと奥にも部屋があるみたいだし!!広い、広すぎる…





「こんにちは。」


柔らかい声色が左から聞こえる

バっと声の方へ顔を向けた


「、!?」


「ごめんね。驚かせたかな。」


「い、いえ」


柔らかい笑みを浮かべた茶髪の男が居た


この学校には似合わない、そう強く思うような好青年。



ニコリと笑う彼を見る


なんか、王子様みたい


…茶髪王子だ。うん、ずこくピッタリ。



「あれ、さっきのお色気イケメンは」


「…リュウヤ、なら君が部屋を凝視している間に部屋に行ってるよ」


いやー、、だってびっくりするでしょ。

この広さ!!


「わ、別にここの部屋が広すぎて見惚れてた訳じゃ…」


「そっか、じゃあ俺に着いてきて」


どうやら私の話に付き合うつもりは無いらしい。

えーんシクシク。泣けちゃう。


有無を言わせないようなそんな視線を私に向けた


「はい」


歩き出した彼に私は慌てて後ろから追う



あの視線が柔らかい笑顔だった茶髪王子と掛け離れいて彼の横顔をちらりと見た


ドクンと心臓が音を立てる








──────嗚呼、見なきゃよかった

あんな、冷たい顔を見るなら。


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