第13話
「放課後になっちゃったなぁ」
誰も居なくなった教室で呟く
2人が居なくなった後、クラスメイトの視線を感じながらも知らないふりをして過ごした
そして結局、誰も話しかけてこなかった
私が、2人に話しかけられたからなのかな?
私の友達作り大作戦が…と机に項垂れる
まあ、話しかけられなかったのは丁度良かったかもしれない
…だって私には踏み込む勇気何て、そんなものないから
乾いた笑いが、自分を嘲笑うかのように思えた。
「あ、オネーサン。残ってたんだな」
「放課後空けって言われたからですよ」
「逃げねぇんだな」
教室のドアから顔を覗かせた男は挑発的に笑う
「私怪しい者ではないし、逃げませんよ」
ニコリと笑い返す
お色気イケメンの挑発になんかのってやんないからね
「えー、本当に?俺オネーサンのこと怪しく見えんだけど」
「怪しくないですよ」
「まあ、これから分かんだからいいか。」
着いてこいと視線を向けお色気イケメンは背を向け歩き出す
私は慌てて鞄を持って男に着いて行く
教室から数分歩いたところで男は立ち止まる
なんで誰も使って無さそうな教室の方へ行くのだろうか
空き教室?いや、何かドアが教室と違う
それにしても、ここは静かだ
周りに人がいない
「オネーサン、こっからは正直に答えた方が身のためだ」
お色気イケメンは私をじっと見つめてドアを開けた
入りたくないな、ここから何故だか踏み込みたくない。
そんな気持ちを首を振り振り払う。
…大丈夫。私は夏咲。夏咲紬希。
ここから先はきっと戦い
私の正体がバレないように、無害なことを伝えなければならない
深呼吸をして手をぎゅっと握りしめて私は男の後ろを追い、部屋へと足を踏み入れた
──────きっとこの時私たちは必然的に出会ったのだ。
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