浮気妻が残していった義理の娘に欲情したら喜ばれたので背徳イチャイチャ生活が始まりました+家庭内DVから救って引き取った娘の親友に告白された

かくろう

友梨佳編

第1話◇義理の娘◇

 妻の最後の言葉は、実に素っ気ないものだった。


「じゃあこれでお別れね。今までありがと。じゃあね」


 淡々と、感謝の気持ちなど微塵も籠もっていない顔で、妻は書類に必要事項を記入していく。


 離婚届に判を押し、俺達は他人となった。

 連れ添って数年。夫婦生活はそれなりに上手くいっていると思った、思っていた。


 もう何年前になるか。大学時代の同期だった彼女は、キャンパスを彩るマドンナであり、俺の憧れの女性だった。


 告白する勇気もない俺がもたもたやっている間に、彼女は他の男のものになってしまった。


 いや、告白したとしても俺なんかが彼女と付き合えるとは思えない。


 情けない自分を誤魔化すために、嫉妬の炎に焦がされながら苦い大学生活を送っていた。


 それから何年か経って、町で偶然7歳になったばかりという娘を連れて途方に暮れている彼女と再会した。


 なんでも夫に浮気をされて相手に子供ができた途端に貯金を持ち逃げされてしまったらしい。




 俺はまだ彼女が好きだった。諦めたつもりになっていたが、再会した瞬間にその気持ちが蘇ってきたのだ。


 俺は密かに彼女との再会を喜び、このチャンスを逃すまいと懸命にアプローチを始めた。


 俺は今度こそ後悔したくなかった。自分に自信が無くて勇気が出なかった過去を恥じ、ここぞとばかりに口説いたのだ。


 だから子連れでも構わない。俺が必ず子供と一緒に幸せにしてみせるから。


 そう言って彼女を口説き、再婚禁止期間が明ける100日後を待って結婚まで持ち込んだ。



 彼女は大学時代からの俺の気持ちなどとっくに見抜いていたのだろう。俺は実に良いカモだった。


 そんなことにも気がつかない愚かな俺は二人を養うために必死に働いた。


 職業スキルも死に物狂いで勉強し資格を取った。


 大して興味もなかった昇進も積極的に受け入れ、少しずつだが、部下からの厚い信頼と必死の努力によって彼女達に何不自由なく生活してもらえるだけの社会的地位と収入を手に入れることができつつあった。



 俺達の夫婦生活は順風満帆……いや、ようやく軌道に乗り始めた。


 色々あったが、だんだんと妻も俺を愛してくれていると思っていた。


 しかし、それは俺の独りよがりだったらしい。


 男の扱いを熟知している彼女にとって、俺程度の男を手玉にとるために良妻を演じることなどたやすいことだったのだ。



 俺が仕事で懸命に家族のために働いている間、妻は自分より一回りも若い男を連れ込んでセックス三昧の日々を楽しんでいたのだ。


 ある日、体調が悪くなって会社を早退した時の事だ。


 妻に連絡することに頭が回る余裕もなく、タクシーを使って早く家に帰ってみれば、愛していた妻が見知らぬ男とベッドの上でヨロシクやっているではないか。


 彼女のために奮発して買ったベッドの上で、アイツはどこの誰とも知らない若造にまたがって嬉しそうに腰を振ってヨガリ狂っていた。



 以前からおかしいと思った節はところどころあった。しかしそこに気がつかなかった。


 妻を信じたい。何かの間違いだったと言って欲しい。


 しかし彼女はその状況において不貞を働いたことを侘びもせず開き直ってこういった。


『私、彼と結婚することになったから』


 なったから。

 もう決まっていることだから。彼女はそういった。


 


 俺達の離婚はその月のうちに決まった。


 良い妻だった。料理も上手いし家事もそつなくこなしていく。


 仕事から帰ってきた俺をねぎらう姿は、まさか裏で俺を嘲笑しながら別の男に股を開いているなんて想像も付かないほどの良妻っぷりだった。


 しかし、それはすべて俺に金を稼がせるための演技だったのだ。




 彼女の方は俺のことを愛する対象として見ていなかった。


 それどころか、聞けば浮気は結婚してすぐに始まっていたらしい。俺は始めから都合の良いATMでしかなかったのだ。


 彼が何人目かは聞かなかったが、相手の男は大病院を経営する医者の御曹司らしい。


 エリート街道をひた走る若い男を身体で籠絡した彼女は、離婚を機にすぐさま再婚のための準備に入ったそうだ。


 仮に俺が訴え出て離婚調停に持ち込んだとしても、凄腕の弁護士がいるだとかなんとかいって、いくらでも相手になるだのなんだのいっていた気がする。


 俺にとってはもうどうでもよかった。


 俺は彼女が玉の輿に乗るためのつなぎにたらし込まれたのだろう。



 だが、俺はそんな自分を恥じ、彼女にもう一度チャンスを与えてほしいと願った。


 今度こそ、君に愛される男になってみせると。


 未練がましい器の小さい男と笑われるだろう。


 だが俺にとってはそれくらい好きだった。


 騙されていたことなど些細なことだと感じていた。いつか彼女に振り向かせて見せる。そう思っていた。


 だが彼女は、『男などいらない。企業のコマに過ぎない男に用はない』と、大病院の御曹司にあっさりと鞍替えしてしまった。


 何も言い返せなかった。彼女には、俺に対してなびく要素が何もなかったのだ。

 


 彼女の本性を見抜けず、ガワの部分にだけ惚れ込んで舞い上がっていたに過ぎなかった俺は、彼女にとってすればさぞコントロールしやすかったに違いない。



 結局、離婚調停もすることなく、慰謝料も取ることなく、俺は彼女との離婚を承諾した。


 全ての力が抜けてしまったのだ。


 懸命の努力が空回りしていたことも。

 アイツの本性に気がつかず必死に働き続けた自分の、人を見る目のなさが嫌になったのだ。



 一刻も早く彼女と関わらずに済む環境がほしかった。


 彼女を本当に憎んでしまう前に忘れてしまいたかった。



 だが、そんな俺を救ってくれた天使がいた。


【お父さん、元気だして。これからは私が身の回りのお世話するからね】


 落ち込む俺の膝に手を乗せて励ましてくれたのはその年に小学校6年生になったばかりの娘、友梨佳だった。


 出て行った妻の連れ子だった彼女とは血のつながりこそないものの、俺は彼女を実の娘と同じように愛情を注いで育ててきた。



 その甲斐あってか、娘は母よりも義理の父である俺の元へ残ることを選んでくれた。


 妻が出て行くとき、俺を庇って母と大ゲンカした時のことは今でも鮮明に覚えている。


 アイツの娘である友梨佳を、憎しみの対象として見ることはできなかった。


 彼女は俺のために心の底から本気で怒ってくれた。



 嬉しかった。本当に嬉しかった。


 一方で妻は、重たい荷物がなくなって清々したなどと、クズの極みのような捨て台詞を残して去って行った。


 もともと水面下では折り合いが悪く、俺を気遣って家庭の不和を招かないために表向きは仲良くするふりをしていたそうだ。


 俺はとことん人を見る目がなかったらしい。情けないにもほどがあった。


 だから余計に、俺は友梨佳だけは絶対に幸せにしようと強く決意した。


 慰謝料もなしに離婚を承諾したのも、余計な争いをして友梨佳にストレスを掛けたくなかったからというのも大きい。


 アイツの血を分けた娘である友梨佳は、母娘だけあって別れた妻によく似ている。父親の影などどこにも見当たらないほどに。


 母親そっくりの顔を見ると、時折思い出して辛い記憶が蘇ることがある。


 しかし性格は義父思いで面倒見が良く、炊事洗濯と身の回りの家事はそつなくこなし、俺を本当の父として慕っている良い娘に育ってくれた。


 母親とは似ても似つかぬ、本当に純粋で良い子だった。


 心に開いた穴を埋めて俺の人生に潤いを与えてくれた彼女がいなければ、俺はもっと深く人生に絶望していたかもしれない。


 あれから約5年。友梨佳は17歳になっていた。



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