魔法少女メドラク
YB
第1話 魔族が現れたその日から
私の名前は秋田 楽下。
極度のめんどくさがり屋として、家族の中で有名だ。
そんな俺だが、朝起きると女体化していた。
右目に前髪がかかるほど髪は伸び、声もダウナーではあるけれど高くなった。
元々、顔は女の子寄りだったのでそこまで変化がない。
けれど、男の頃にはなかったこの圧倒的な重量感。
男では決してありえない水風船が、鏡の前に映っていた。
と威勢良くいったのはいいものの、現在進行形で昼寝をしている最中である。
確かに驚いているけれど、俺の知識でどうこうできる問題ではない−−というのは建前で本音を言うと病院に行きたくないからだ。
「寝ることこそ、私の人生」
平和に過ごせていることに感謝し、いざ、祝福の時間へ。
『緊急!! 緊急ニュースです!! 突如、魔族と名乗る化け物が、街で大量虐殺を行なっています』
「んぅ?」
どうやら、つけっぱなしのテレビから緊急速報が流れて来たようだ。
内容はーーうん、結構やばいことになってるね。
画面に映る人達はみんな次の瞬間には殺されてるし、あっカメラマンが乗ってたヘリコプター墜落された。
『只今、映像が乱れております。第二の現場スタッフの到着までーーえ? なんだって? 一人の少女が立ち向かっているって!?』
キャスターが意味深な発言をしてから、しばらくして映像が映し出される。
そこにはアニメでよくある魔法少女のような衣装を着て、魔族と互角に戦っている少女達が次々と映し出されていた。
映像には現実ではあり得ない、魔法のような現象が多々起こっていた。
激闘の末、魔族が倒されるのを遠目で見守っていたカメラマンが今更駆け寄り、しかるべき対応を取らずにインタビューをしていた。
「……優しい子だね」
体は傷だらけなのに、少女は嫌がらずにインタビューを受ける。
『君たちは一体何者なんだい?』
カメラマンは最後にと念を押してから、人として失礼な質問を投げかける。
『え……と』
しかし、どうやら彼女も自分の身に何が起きていたのか分からない様子。
そんな中、カメラマンの質問に答えたのは、彼女の周りをうろちょろしている鳥のような生き物だった。
『彼女たちは魔法少女。……君たち人類を魔族から守るために存在しているんだ』
その言葉と同時に、キャストの人やカメラマンが称賛の声を上げ、そのままニュース番組は終了する。
「……なんか嫌なモノ見ちゃったな」
多分だけど、これからは魔族が来るたびに逃げなくちゃいけないだろうし……世の中の法則がかなり変わりそうだ。
俺の推測通り、翌日から魔族が大量発生し、それを狩る魔法少女たちが命を落としてしまったり、魔法少女を保護するために作られた施設ができたり……今までの常識が、あの日を境に一気に変わってしまった。
俺はあの日から、毎日のように魔族から逃げ続ける日々を強いられ、ゆっくりする時間が中々取れなくなっていった。
あれから魔族襲来から1ヶ月後経つが、鳴り止むことのない警報音。
また魔族が街にやって来たらしい。
「はぁ……めんどくさ」
◇◇◇ 第1話〈終〉
あとがき
いやー1年ぶりぐらいですかね! 投稿するの。
他の作品も完成一歩手前まではいっているのですが、どうもあとその一歩が踏み出せず。
〈ゴメンネ〉
この作品は一番最初の作品のリベンジ作ではあるのですが、第一話としてはかなり良い出来になったのではないでしょーか!! (自画自賛)
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