いずれ破滅する七つの大罪の怠惰に転生した俺、破滅回避のために努力していたら、なぜか残りの六人(極悪美少女)に生涯忠誠を誓われた。それよりこいつら愛が重すぎるだろ!?
第1話 酒池肉林ソングは二度と謳わせない。
いずれ破滅する七つの大罪の怠惰に転生した俺、破滅回避のために努力していたら、なぜか残りの六人(極悪美少女)に生涯忠誠を誓われた。それよりこいつら愛が重すぎるだろ!?
菊池 快晴@書籍化進行中
第1話 酒池肉林ソングは二度と謳わせない。
聞こえる。
これは、歌だ。
陽気で、ちょっとポップな。ラテン感もあるような、女子たちの美しい歌声だ。
ああ、いい声だ。心が、落ち着く。
「宴よ! 舞えよ! 盃(さかずき)高く!」
楽しげだな。みんなでワイワイしているんだろうか。
「極楽気分で 乱れ咲け」
「肉の波間で 夢を泳げば!」
……肉の波間?
「ここは天国、スロース様の、酒池肉林☆パラダイス♪♪」
……え? えええっ!?
「しゅ、酒池肉林パラダイス!?」
思わず声を上げ、目を覚ましたかのように視界が広がっていく。
目の前には、頭にカチューシャを付けた、水着の女性が並んでいた。
――チャプン。
え、なにこれ。
俺は浴場……にいるのか? どうやら湯船に浸かっているらしい。
「スロース様、いかがなさいましたでしょうか?」
「す、スロース様?」
「私たちのお歌が……よくなかったのでしょうか……」
メイドたちは顔面蒼白になり、プルプルと怯え始める。
そのとき、ふと湯に映った自分自身の姿に気づく。
ぶくぶくと太ったわがままボディ。
無造作の金髪に、なぜか綺麗なピンク乳首。
そして俺をスロースと呼ぶメイドたち。
間違いない。
俺は、【セブン・デットリー・シンズ】 の【七つの大罪】の一人、【《
って、その前に――。
「み、みんな服を着てくれないか!? いや、その、出ていってくれ!」
眼前に迫りくる大量のたゆんたゆん。
裸なので、目のやり場に困る。
しかしそこで気づいた。
もしかして湯冷めしちゃうんじゃないかと。
「ま、待て! もう少しだけ浸かってからにしよう!」
俺の言葉にメイドたちは困惑しつつ肩までしっかり浸かる。
そして身体が暖まったと思われる順番から出ていく。
風邪をひいてしまったら可哀そうだからな……。
この信じられない状況に困惑しつつも、頭を整理する。
【セブン・デットリー・シンズ】とは、【七つの大罪】をモチーフにした、悪役美少女ファンタジーゲームだ。
ストーリーは、主人公が七つの大罪の美少女と戦ったり、イチャイチャしたりと、何でもあり。
愛が重すぎる【
緩急で男子のツボを揺さぶってくる【
とにかくエロい【
なおかつ中の人も有名声優ばかり。
発売されると瞬く間にミリオンセラーになり、かくいう俺もハマりにハマったゲーム。
だがしかし、たった一つだけ残念だと言われている部分があった。
それは、開発者ですらも失敗したと認めるほど。
それは俺、
美少女ゲームと謳いつつ、一人ぐらい笑えるやつがいたほうがいいと、唯一男性キャラの
唯一の取柄である爵位を盾に偉そうにしたり、弱い者を虐めたりする。
調子にのった
いや、正しくは『何もしないなら、何もない場所に行ったらどう?』 と闇世界に葬られるのだ。
そこは食べることも眠ることもできない暗黒世界。ウン億年ボタンも真っ青、帰宅不可能な異次元空間である。
そして俺はそんな
つまり将来は……。
「い、いやだあああああああああああああ」
思わず叫び立ち上がると悲鳴が聞こえた。
まだ、メイドが一人残っていたらしく、顔に湯がかかってしまったのだ。
「す、すまない。ええと……キャロルだったか」
「……名前を、憶えていてくれたのですね」
栗色の髪、端正な目鼻立ち。
名前を呼んだだけで喜んでくれるなんて、よっぽどひどい事をしていたのだろう。
少しずつ、スロースとしての記憶が戻ってくる。
そうか。今日は俺の体重増量祝いをしていたのだ。
「スロース様、酒池肉林ソングがお気に召さなかったのでしょうか」
……やばいことさせてるな俺。そういえば原作でもありとあらゆる人たちから嫌われていた。
「い、いやそんなことないよ。凄く綺麗な歌だった。でも……変な歌をうたわせてすまなかったな」
きょとんと目を見開くキャロル。
今まで謝ったことなんてないんだろうな。
「……は、はい」
怯えて、そして震えている。
突然こんなことを言うのも変か。
冷静になればなるほど現状がいかに危険かわかってくる。
このまま怠惰を貪り続ければ、俺の未来は暗黒世界だろう。
……でも、それは未来だ。
俺は 【セブン・デットリー・シンズ】が大好きだった。
作りこめられた世界観に個性あるキャラクターたち。剣と魔法が存在し、胸躍る強敵や魔物。
何も悲観的になることはない。これから変わればいいんだ。
そうだ。怠惰じゃなくて、勤勉の二つ名をもらえるくらいに。
そしてこの世界を存分に楽しむんだ――。
【
とそのとき、ゲームで聞きなれたアナウンスが聞こえた。
これは、主人公がステータスをオープンにするときのだ。
そして、文字が眼に飛び込んでくる。
New:スロース・エンヴィルド。
New:職業:呪詛師
New:呪力:SSS。
New:所持スキル:
それを見て、思わず笑みを浮かべた。
七つの大罪のキャラクターには、それぞれ固有能力がある。
つまり
――俺はやる。この世界で、楽しく生きてやる!
そのとき、浴場の上にあるランプのようなものがチカチカした。
え、なにあれ?
「スロース様、今宵の酒池肉林ベッドメイキングが完成したとのことです」
え、それそういう合図なの!?
いや、これはマズイ。
「ええと、今日はなしで」
「……良いのでしょうか? 肉と肉の乱れ打ちが御所望とおっしゃっていましたが」
「当分はいいかな……」
「畏まりました。ということは、夜のお楽しみ、肉まみれデザートもなし、という事でしょうか?」
「それもなしで」
その前に、もっといい子にならなきゃ。
でも、酒池肉林ベットメイキングって気になる。
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新作も投稿いたしましたので、是非こちらもよろしくお願いいたします。
底辺修復士が、読むだけで発動する「魔導書」を歴史上で初めて誕生させる話です! 本作同様、個性豊かなキャラクターや面白い話になっておりますので
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