第31話 謎の人物 2

天使殺しという単語に耳を疑う。

人間にそんな芸当が出来るはずがない。

しかし、先程のスケルトンキングを一撃で倒した技を見ているため一概に否定もできなかった。

「少なくとも俺たちと敵対するつもりはねえってことだよな?」

アレンは敵意を確かめる。

敵意がないのであれば良いが、今すぐに戦闘となると、完全に自分達が負けるだろうということは確信に近かった。

「僕としてはないけど、君たちがどう思うか、がポイントだよ。少なくとも今の時点で僕に勝てないのは分かるだろう?とある隠れ里を探すと良い。君たちも天使殺しという称号がもらえるレベルには鍛えられるかもしれない」

そこまで言うと謎の人物は飛び上がる。

羽もないのにどうやって飛んでいるのかは不思議であるが、それよりも先程の話が気になった。

「ちょっと!隠れ里ってどこにあるのよ!」

カイラがそう聞く。

敵意を向けられれば負けるであろう相手に強気なものである。

「君たちのリーダーに聞くと良い。僕はこれで失礼するよ」

こうして謎の人物は最後まで正体を明かさぬまま何処かへ飛んでいってしまった。



3人は顔を見合わせた後、帰ることにしたのだが、

「あ、ちょっと待って。スケルトンキングの骨を回収しておこう。後で何かを作る材料になるかもしれないから」

「良いけど、邪魔になるんじゃない?」

「大丈夫、今日中に加工するから」

「その・・・・・・良いのか?父親だったんだろ?」

アレンが遠慮気味に聞く。

おそらくリアムはそれを考慮に入れた上で加工すると言っているのであろうことが分かっていたためである。

「父上は真っ直ぐな人だから、自分がスケルトンになってしまったことを自分自身が許せないと思うんだ。だから、僕がこの骨を有効活用すれば、父上の気持ちも晴れると思うんだ」

真っ直ぐだったが故に喧嘩になってしまったこと、父親が国王であることはまだ、明かすつもりはなかった。

「そんなら良いけどよ」

アレンとしては返答次第でリアムを殴るつもりでいたが、そうすることはなかった。

それはリアムが本当はそうしたくないのであろうことはリアムがうつむいていることと雰囲気で何となく分かったからである。



3人でもスケルトンキングの骨の1割を持って帰ることが限界だった。

残りはまた後日ということになった。

どうせ残ったスケルトンを倒さなければいけないのである。

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