第30話 謎の人物
「父上!もうやめてください!」
リアムの発言に固まるアレンとカイラ。
スケルトンが死んだ人間というのは有名な話であるが、そのスケルトンから生前の顔や体型、性別すら分からないのが普通である。
それなのにリアムはそのスケルトンを父親だということに確信を持っていた。
父上というかしこまった呼び方については考える余裕はなかったが、固まってしまうに足るものだった。
案の定その言葉でスケルトンキングは止まらない。
手を握り、その拳を足元にいるカイラに振り下ろす。
もう間に合わない。
そう誰もが思ったとき、雷の光のようなものが物凄い速度でスケルトンキングに落ちてきた。
そして、気づいた時にはカランカランと骨の落ちる音のみが響いていた。
◆
カイラは骨が落ちている間にその場から離れていた。
あくまで雷の光のようなものであり、雷でないことは分かる。
その正体が分からない以上警戒しないわけにはいかない。
砂ぼこりで前が見えないほどになっていたが、幸いアレンとリアムのいる方向は砂ぼこりがたつ前に把握していたためその方向に向かって走ることでその場を離れることが出来た。
そして、無事に合流できたのだが、警戒を解くことはできない。
砂ぼこりが少しづつ落ち着いてくるにつれて、その中に人影が見えたのだ。
「何者だい?」
リアムが聞く。
リアムとしてはスケルトンキングとなってしまった父親を倒すということが、最後の親孝行になるだろうと考えていた。
結果的に喧嘩別れになってしまったため、これが自分にできるせめてもの償い(孝行)であると、そう考えていた。
協力してという形にはなったが、それでも父親を止めることが親孝行なのだと、考えていた。
いざ戦うとなるときは少し戸惑ってしまったが、それまでにもしかしたらと覚悟はしていた。
まさかスケルトンキングになっているとは思わなかったが。
それなのに、先程の攻撃は自分達の努力等なくとも1発でスケルトンキングを倒せただろう。
そう思うと、自分は最後に親孝行もできなかったのか、と感じてしまう。
だから、せめて父親を倒した正体を知りたい、そう思ったのだ。
相手が話しだすよりも前に砂ぼこりがなくなり視界が良好になる。
月の光と相手の片腕で光る何かのお陰で顔までは見えないがある程度姿が見える。
その姿は人間であるが、先程の攻撃を人間ができるとはスキルを持ってしても難しい、できないだろう。
だからか、余計に怪しく見える。
「僕かい?僕は無の戦士。天使からは天使殺しとも呼ばれてるよ」
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