第19話 失礼な電話の切り方

 実はわたしは、電話がとても苦手です。

 固定電話しか無かった頃から今に至るまで、電話がとても苦手です。

 だから、なのかな。

 する時は結構気を遣います。

(ものすごく気心が知れている人は、それほど苦手意識なく電話できますが)


 それで、そう。

 失礼な電話の切り方について、です。


 選挙の時にいつも電話を掛けてくるご近所さん。

 ●●党をよろしくお願いします、というあれ。

 それ自体はいいのですよ。頑張ってるなぁって思います。

 ただね。


 お願いしといて、自分の言いたい事だけ言って、あとはガチャ切り、っていうのは、無いんじゃないですか?


 って、いつも思うのです。

 なのでわたしは、その人が推してる●●党に票を入れる気にはなりません。

 ほんとにね、こちらがまだ電話を切る前の挨拶の言葉を言い終わらない内に、ガチャ切りするのです。

 失礼極まりないと思います。

 電話のノルマもあるのでしょうけれど、それはそちらの都合というもの。

 お願いの電話でのガチャ切りは、失礼千万と思います!



 それから、過去にわたしが驚いた、ナンバーワンの失礼な電話。


 ある時、職場のお昼休みにお弁当を買いに行って、帰って来ていざ蓋を開けようと思ったところ。

 なんと。

 野菜の上に、小さな青虫が乗っていて、クネクネ動いているのに気付きました。

 それだけで十分なショックです……わたし、足の無い虫が本当に苦手なので(>_<)

 仕方が無いので、買ったお店まで戻って実物を見せて、返金してもらいました。

(さすがにそのお店で、他のお弁当を買う気にはなりませんでしたから)

 その際に、電話番号を聞かれたのですね、あとでお詫びがしたいからって。

 わたしは、返金してもらっただけで十分だと言ったのですけれど(個人の携帯番号は教えたくなかったですし)、あまりにしつこいので、仕方なく職場の電話番号を伝えて帰りました。


 その日の夕方頃だったかな。

 そのお店から、職場に電話が掛かって来たのです。


 是非お詫びがしたい。お詫びとしてクーポン券をお渡ししたい。職場まで伺ってもいいか。


 と言われたので、ちょっとそれは困るとお伝えしたところ、


 それでは御足労お掛けしますが、店まで来ていただけないか


 と言われたので、面倒だけど仕方なくOKしたのです。

 お店としては、きっとマニュアル上、お詫びをしないといけないことになっているんだろうな、と思って。

 その、電話ですよ。


「それではお待ちしております『ガチャ』」


 ……え?


 それはもう、ソッコーでガチャ切りでした。びっくりするくらい。

 お詫びの電話でそれは無いだろうと、結構頭に来たので、わたしはその日そのお店に行きませんでした。

 以来、そのお店でお弁当を買ったことは一度もありません。

 ……しばらくしてそのお店、違うお店に変わっていましたけどね。



 電話って、相手の顔が見えないじゃないですか。

 だから、会ってお話する時よりも、気を遣わないといけないと思うのです。

 たまに敬語が変になってしまうのはご愛敬としても、失礼な電話の切り方には気を付けようと思っています(どんなに電話の内容が良くても、印象が最悪になりますから)。

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