あたしは嫌われている
結城 木綿希
無題
あたしには好きな人がいる。その人はかっこよくて頭も良くて運動もできる。しかもノリが良くて面白い。そんな、人に好かれるために生まれたような人。
あたしはそんな彼女に嫌われている。
想いを伝えたい。そういう気持ちがないわけじゃない。でも、私にはその行動の結果がわかっていた。だから無駄なことはしない。その行動は彼女の迷惑になってしまうこともわかっていた。それに、気持ち悪いと言われてしまえば今度こそ立ち直れなくなってしまうかもしれない。
「あなたが嫌い」と、はっきりと言われたことはもちろんない。彼女はあまりに優しすぎるから。そんな彼女ですらあたしと目が合うとすぐに目を逸らす。
あたしに嫌われるようなことをしたという自覚はない。優しい彼女が目を逸らすんだ。無意識のうちに彼女を気付けてしまったのだろう。初めて話したあの日……あたしは彼女何をしてしまったのだろう。嫌いなあたしなんかに好かれても迷惑かもしれない。
それでもあたしの彼女に対する好きが止まらないのだ。彼女のことが好きで好きでたまらない。好きだからこそ困らせないために、あたしはこの気持ちにはそっと蓋をすることにした。
いくら心に蓋をしても思いは溢れてくる。あぁ……どうして彼女のように人に好かれて生きることができないんだろう。多数に好かれなくてもいい。好きな人に愛されたい。どの道もあたしの手の届かないところにある。
彼女のように可愛くなりたい。
必死に勉強したメイクがあたしを強く可愛くする。前に一歩踏み出す勇気をあたしにくれるの。
彼女に愛されるあたしになりたい。
そのためなら悪魔にだって魂を売ろう。一番じゃなくたっていい。あたしはただ彼女の隣にいることを許して欲しいだけ。
彼女の求めるあたしになりたい。
彼女の隣にいる女共がどうしようもなく腹立たしい。当たり前のように生きて、当たり前のように彼女の隣に立って談笑する。
憎んでも羨んでも自分も現状も変わらない。愛して……憧れて……追いかけた彼女の存在はあまりにも眩しかった。あたしはこんなにも彼女から遠くにいるというのに。
辛い。悲しい。生きる価値なんてない。死にたい。でも、あたしは大丈夫。あたしは何があっても前を向いて歩いていくんだ。逆風なんかに負けてなるもんですか!
だって……だって……オカマは最強なんだから!
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番外編(想い人)
なんでオカマメイクなんだろ。もっと可愛くメイクしてあげたい……けど男の子にそんなこと言っても大丈夫かなぁ。あ、こっち見た!
すぐ目を逸らしたしバレてない……はず。いや、でも眺めながら変なこと考えてたのバレちゃってるのかなぁ。
あたしは嫌われている 結城 木綿希 @yuuki58837395
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