第4話 修了試験の感想



 当日の出題順に感想を具体的に述べる。

 私は問題を見て最初は面を食らったが、動揺もほどほどに、冷静に問いと向かい合うことにした。オンライン講義の小テストとはレベルが違ったが、戦えないことはない。電気主任技術者試験の時の、性格の悪そうな人が作ったひねくれた奇問に比べれば、解きやすい。



 科目1

 エネルギー総合管理及び法規


 これは問題は優しめ、というよりも素直な問題ばかりだった。新問もあれば、類似問題が多く解きやすい印象だった。計算は単純で私も80点前後は取れたと思う。きちんと勉強に取り組めば楽に解けるだろう。





 科目2

 電気の基礎


 これはつらかった。

 私は例年通り三相三線回路が出るとばかり考えていたので、ややヤマカンを外した問題と対面することとなった。いくつかの電気の法則を思いだしたり、解答から類推する逆算での計算が成功しなかったら点数は取れなかっただろう。一問目で計算ミスると芋づる式で間違えるのはやめてほしかった。自動制御やコンピューターに関する問題は楽だった印象がある。70点前後か。





 科目3

 電力応用


 これが一番つらかった。

 本当につらかった。気のせいか、試験中、聞こえていた他の受験生のペンが進む音がほとんどしなかったのをよく覚えている。電力応用の計算も意味がわからなかったし、示された図形の意味もわからなかった。ほとんど消去法とヤマカンに任せた。選択問題で照明と電気加熱を選んだが、これもつらかった。あまり覚えていない公式が多かった。照明の計算問題くらいが解きやすかったか。テキストを相当に読み込まないと点数が取れないと思った。40点前後か。



 科目4

 電気設備及び機器


 これは予想よりも計算が少なく、楽だった。基礎的な問題ばかりだったし、とにかく解きやすかった。一定の電気的知識があればボーダー(60点)程度は楽に行けると思う。90点前後は取れたと思う。







 こうして私の修了試験が終わった。

 全科目60点がボーダーだとしたら、電力応用は落とした形になる。この事実に私は愕然とした。わずかにあったプライドはズタズタである。不合格だ。惨敗だ。敗北したのだ。


 試験終了後の帰り道、足取りは重かった。会社で小言をもらいながら上司に頭を下げ、やっと印鑑をもらってまで試験を受けたのに、7万も払ったのに、そのすべてがパーになったのだ。落ち込まない方が無理だ。


 調子に乗って不勉強だった自分が恨めしく、来年こそ勉強しなおして、修了試験に挑もうと決意した。次は試験用のエネルギー管理士の問題集も買って、やり直そうとも思った。とにかく悔しかったし、反省した。

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