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第1話

その男との出会いはクラブだった。



遊び盛りだった私は気の合う女友達と飲み歩いていた。

その日は気まぐれに一度だけ行ったことのあるクラブへ。

中に入って周囲を見回せばすぐに男達が寄ってきた。

その中からいつものようにイケメンを厳選する。


(今日はハズレかな〜)


適度にお酒を飲みながらふらふらと身体を動かす。

するとトン、と背中に何かが当たった。


――あ、イケメン見っけ。


振り向けばダークブラウンの髪をくしゃっとさせたセンスのある男が立っていた。

一目で遊び慣れているのがわかる風貌だ。


「あ、すみません。大丈夫?」

「はい」


2人してにこっと笑い合って、なんとなくそのまま向き合った。

どうやら向こうも私を気に入ったみたいだ。




結局その日はぶつかった男が一番タイプだったので、最後まで行動を共にした。

いっぱい動いていっぱい呑んでいっぱい喋って。

そろそろ帰ろうかな〜と思っていたところに「良いホテル知ってるよ」とお誘いが。


酔っていたのでなんて返事をしたかわからないけど、結果から言うとそのままベッドインした。

こういう風にその場のノリで一夜を共にすることは、多くはないけど少なくもない。


全てはその時のノリ次第だ。

まあ相手がかっこよくて話も面白かったら大抵その気になるけど。

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