偃月――百万年の恋の歌――
janE
第1話
妻は美しい女性だった。彼女以上の存在は後にも先にも現れないだろう。
花のような香りのする膝枕で昼寝をするのはこの上ない贅沢だった。それは絢爛豪華な屋敷、蔵一杯の金銀財宝、想像しうる限りの極上をなげうってでも惜しくない。
「お前様はなんて甘えん坊なんでしょうね」
甘い声で囁かれると頭の中身がとろけてしまいそうだった。
もっといってくれ。そう手を伸ばすと陶器のような肌を桃色に染め、美しい瞳を細めて菩薩様のように微笑んだ。その姿がまた一層美しく、現代風にいえば、とても、愛おしかった。
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