【第3章】XRパレードと存在意識

第7話: 夢が交差する夜

フューチャースノーパークの夜空に、鮮やかな光の波が広がる。


「XRパレード」の開幕だ。


このパレードでは、来場者一人ひとりの夢が、ホログラムとして夜空に映し出される。


——それはまるで、世界中の「夢」が交差する瞬間だった。


「すごい……!」


葵が感嘆の声を上げる。


空には、巨大な宇宙船、果てしない冒険の世界、華やかなステージに立つ自分の姿……


それぞれの夢が、まるで現実のように再現され、パークを埋め尽くしていた。


だが——


「……俺には、やっぱり何もないんだな。」


夏樹は、空を見上げながら、自嘲気味に呟いた。


彼のスノーグローブには、まだ何も映っていなかった。


▶ 孤独の中の焦燥


パレードが進むにつれ、夏樹の中にじわじわと焦燥が広がっていく。


「なんで俺だけ、何もないんだ……?」


葵やレオのスノーグローブは、はっきりと光を放ち、それぞれの夢を映している。


レオの映像には、パークを管理する自分の姿。


葵の映像には、子供たちに笑顔を届ける自分の姿。


「夢を持つって、こんなにも当たり前のことなのか?」


「俺は、一体何を探してるんだ……?」


夏樹は、スノーグローブを強く握りしめた。


▶ レオとの対話


「焦ることはないさ。」


隣から静かな声が聞こえた。


レオだった。


「焦るなって……俺だけ何も映らないんだぞ?」


「俺だって、迷ってるよ。」


レオはスノーグローブを見つめながら、静かに続ける。


「俺は、このパークを継ぐのが運命みたいに思ってた。でも、それって本当に俺の夢なのか?」


「……?」


「親父が築いた夢を継ぐことと、自分の夢を持つことは違う。俺は、その境界線を今でも探してるんだ。」


レオの言葉は、夏樹の胸にじわりと染み込んだ。


「夢を持つことは、決して簡単なことじゃない。だからこそ、お前も焦らなくていい。」


▶ かすかな光


パレードが終盤に差し掛かる。


夜空には、無数の夢が煌めいていた。


——その時。


夏樹の手の中のスノーグローブが、ほんの僅かに光った。


「……え?」


夏樹は驚きの表情を浮かべた。


スクリーンにはまだ何も映っていない。


だが、確かに手の中で、わずかな光が揺らいでいた。


「何かが……あるのか?」

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