第6話: 過去の残響

フューチャースノーパークの朝は、冷たい空気と淡い光に包まれていた。


夏樹はまだ人の少ない園内を歩きながら、ポケットのスノーグローブを握りしめていた。何かを探すように。


——本当に、俺の中に夢は残っているのか?


昨夜のダニエルの言葉が頭を離れなかった。


「夢が見えないのは、夢がないからとは限らない。」


▶ 幼い頃の記憶


歩きながら、夏樹はふと記憶の奥に埋もれていた映像を思い出した。


——幼い頃、両親に連れられて訪れたテーマパーク。


夜のパレードで、無数の光が空に舞い上がる。


その中で、夢中で何かを語っていた自分。


「いつか、こんな場所を作るんだ!」


——あれは、本当に俺だったのか?


▶ 夢の残響


「夏樹くん!」


突然、葵の声が後ろから響いた。


振り向くと、彼女が息を切らしながら駆け寄ってくる。


「探したよ! もしかして……何か思い出した?」


夏樹は少し迷ったが、静かに答えた。


「……まだ分からない。でも、何かが心の奥で引っかかってる。」


葵は微笑んだ。


「じゃあ、確かめに行こう!」


「どこへ?」


「未来の君が本当にいる場所へ!」


葵は夏樹の手を引き、パークの奥へと走り出した。


▶ 夢の扉


二人が向かったのは、パークの最も奥にあるスノーグローブ・ラボだった。


そこでは、来場者の「深層意識」を読み取り、より鮮明な夢を映し出す最新技術が開発されていた。


「ここでなら、本当に自分の夢がまだあるのか分かるかも!」


葵の言葉に、夏樹はゆっくりとスノーグローブを手に取った。


目を閉じる。


——夢なんて、ないはずだった。


しかし、その瞬間。


スノーグローブの中で、微かな光が揺れた。

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