「洗濯をすると汚くなる」この一言に隠された重みに、読者はゆっくり沈んで行くしかない。私もこの日々の中で、うっかり見過ごしている「常識」はないだろうかと考えてしまった。それは仕方ないことなんだろうけど。この国の人々は毎日あまりにも忙しくて、なのにお金がなさすぎる。話を戻すが、純粋な洗濯の話だけでは終わらないのがこのエッセイの怖い所。作者さまの人生の深度を感じる、短くも濃い語りだった。
作者の妹は洗濯すると「汚く」なると言ったという。洗濯をしたはずなのに逆に汚くなるとは不思議な話である。もしかすると、このレビューを読んでいる人の中にも同じ体験をしている人がいるのではないだろうか?同じ体験をしたことのある人には是非読んでほしいエッセイである。はたして、その原因は何なのだろうか?