第9話〜私と国のお祭り事情1〜
翌朝、窓から暖かな日差しが差し込み、小鳥たちのさえずりで目覚める。リシアは体を起こし、窓際に歩み寄る。窓を開けると爽やかな風が吹き込んでくる。気持ちの良い風に当たっていると、メイドがノックをしてから入ってくる。
「お嬢様、おはようございます。朝食の準備ができました。」
リシアはメイドに向かって
「わかりましたわ。すぐ参りますわ。」
リシアはダイニングルームへ向かう。そこにはすでに両親が席についていた。父親は書物を読んでおり、母親は刺繍をしていた。彼女の到着に気づくと、書物から目を離して彼女を見る。
「リシアおはよう。今日はたしか……建国祭前日だったな。」
「はい、そうですわ、お父様。たしか……今日は、お父様に前に教わった通りに明日は建国祭を祝う日ですわね。」
書物をを置きながら
「そうだ。今日の夜は王宮で建国祭を祝う宴会があるから準備しなければならないぞ。」
伯爵夫人は娘を愛情のこもった眼差しで見ながら言う。
「そうね、リシア。今夜の宴会であなたがどんなに可愛く着飾るか楽しみだわ。」
「お母様?それはどういう意味なのでしょうか?」
「その意味はね……あなたももうすぐ婚約する年齢だからよ。私達は伯爵家、貴族よ?リシア……貴方はもう15歳なのだから、この年齢になると、婚約を持ちかけられても可笑しくない年齢なのよ。実際にわが国の王太子が結婚を持ちかけていたのでしょう?。もちろん私たちはまだあなたの意思を尊重したいわ。だから今回の宴会であなたがどんな男性と一緒にいるか様子を見ようというわけよ。結婚は、16歳からでしたけど、婚姻は、今からでも大丈夫ですしね?」
「あ……そういうことでしたか。でも、お母様。私はまだ心に決めた殿方がおりませんの。なのて、婚約は早いかと思ってたのですが……」
「わかっています、リシア。でも、貴族としてのあなたの義務を忘れないでちょうだい。いつかは家のために結婚して子を産まなければならないということを。」
「あの………お母様は、家の為にお父様と結婚したのですか?」
「まあ、なんてことを聞くの。もちろん、そうね……リシアには話していなかったわね?実は……私達、子供の頃からの付き合いだったのよ。その頃から私は……この人と結婚するんだ……って思ってたわ、普通は貴族は家の為に相手を選ぶのだけど……彼、私を直ぐに妻に迎えようしたのよ。お互い惹かれ合ってたのよ。家同士も問題無かったし、そのまま婚約して結婚したわ。私たちはお互いを本当に愛していて、貴方が生まれたのよ?リシア」
「そうだったな……私は……彼女しか頭になかったから、そのまま妻に迎えたのだ」
「あなた………」
「そうですか……私もいつかはそうなるのでしょうか?」
リシアの頭を撫でながら
「そうね……今はわからないかもしれないけど、時が解決してくれるわ。さあ、もうこの話はやめて、美味しく朝食を食べましょう。」
「そうだな、我が娘はまだ若いから、そういう話はよくわからないだろう。さあ、早く食べなさい。今日は忙しくなるぞ。」
そうして……朝食を済ませたリシアは、自分の部屋に戻ってドレスを選ぶ。そして侍女たちの助けを借りて支度を整える。夜になり、王宮で建国祭を祝う宴会が開かれる。多くの貴族たちが集まってきている。
バーネット家の馬車が王宮の前に到着すると、リシアは父親と母親が降りて、使用人たちがドアを開け、一同が中に入る。広いホールには華やかな照明が灯され、テーブルには豪華な料理が並んでいる。リシアは家族と一緒に会場に入り、国王と挨拶を交わす。国王との挨拶を終えた後、音楽に合わせて他の貴族達が優雅に踊る。しばらく音楽に耳を傾けながら微笑んでいると、一人の男性が近づいてくる。彼はラング王国の第一王子だった。
「こんばんは、リシア嬢。」
彼の声は柔らかく、物腰も穏やかだった。
「あ、王子殿下。」
リシアは礼儀正しく挨拶を返す。
「今夜は本当に美しいですね。もしかして、パートナーはお決まりですか?」
「パートナー?それって……踊るのですか?」
「ええ。私と一曲踊っていただけませんか。」
王子が手を差し出しながら優しく笑う。
「あ…その…あ…私は… …」
周りの貴族たちの視線が集まるのを感じる。どう答えればいいかわからず困惑する。
「お母様どうしたら……?」
そのとき、リシアの母である伯爵夫人が近づいてくる。
「リシア、王子殿下がダンスの申し込みをしてくださっているのですから、受けるのが礼儀ではなくて?」
「お母様… …」
不安そうな顔で王子を見つめる。
王子は、リシアの母を見て
「バーネット伯爵夫人、私がリシア嬢とパートナーを組んでもよろしいでしょうか?」
「もちろんでございます、殿下。」
リシアに囁く。
「行ってらっしゃい、リシア。」
王子の手を取って慎重に音楽に合わせて踊り始める。できるだけ気配を殺して舞踏会に参加したが、やはりどうしても目立つ存在だ。貴族の子女たちの視線がリシアに突き刺さる。突然、王子がリシアをもう少し引き寄せる。二人の距離が近くなり、リシアの心臓がドキンと落ちる。周りの貴族たちのひそひそ声が聞こえてくる。
:まあ、見て。王子殿下がリシア・フォン・バーネットとあんなにくっついて。
:そうね。やっぱり王子殿下もあのような女性が好きなのかしら。
:あの二人、すごくお似合いじゃないか?
:ああ、でもリシア嬢はまだ結婚する気ないって聞いたぞ。
その時、王子がリシアの耳元で静かに囁く。
「大丈夫ですか?リシア嬢、何か顔が赤いようてわすが?」
リシアは慌てて王子から離れる。
「だ、大丈夫です。私がドジなもので、王子殿下の足を踏んでしまうかもしれません。それと……顔は、あ、赤くなってないぞ!」
「ハハ、心配しないでください。私は踊りに慣れていますから。 」
再び音楽に合わせてリズムを取りながら*
「リシア嬢もとても上手ですよ。」
「あ、ありがとうございます……」
音楽が終わり、王子とのダンスを終える。
ほっとため息をつきながら自分の席に戻ろうとする。席に着こうとした瞬間、ある貴族の子息が近づいてくる。
「リシア嬢、今夜は本当に美しいですね。もしよろしければ、私と一曲踊っていただけませんか?」
リシアに話しかけて来たのは、顔立ちが整っている貴族の子息だった。
リシアは、その人は初めてあるので、ここはどうしたら……と、悩むことになったのであった。
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