第9話 抹消


屑はどこまで行っても見事なる屑だ。

私はそう認識しながら2人を。

八乙女とその兄をどう始末するか考えていた。

それから私は家に帰ってからスマホを弄る。

確かに八乙女の兄は暴力行為で捕まっている。

小さなニュースになっている。


「...所詮はそういう小物かな」


そう思いながら私はスマホを弄りながら嘲笑う。

そうして考えているとスマホが鳴った。

それは先輩からだった。


「もしもし?先輩?」

「ああ。弓親。...大丈夫か」

「?...何がですか?」

「いや。色々と...大丈夫かなって」

「...先輩はお優しいですね。でも私は大丈夫ですよ。何も悪い事は無いです」

「確かに優しいとかそれもそうなんだけどさ。俺の彼女だからな」

「...先輩...」

「弓親の事が心配になる」

「アハハ。ありがとうございます」


それから私は他愛のない話をする。

その中で。

私は先輩に聞いた。

八乙女の事を。


「八乙女...どう思いますか」

「八乙女?...奴はどうしようもないから。さっきも言ったけど離れるしかない」

「ですね。でも先輩。このままでは恐らくまた来ますよ。彼ら彼女らは」

「...恐らく嫌がらせはまだ続くだろうな。...だけど俺はお前を守るよ」

「...そうですね。私も貴方を守りますよ」


そして私は「...八乙女はクソですね」と言う。

先輩は「執念の女って感じだな」と答える。

私は唇を噛んでから「あのしつこさは異常です」と言う。


「...私は彼ら彼女らには死んでほしいです」

「そこまでは無いかもだけど。...そうだな。確かにいい加減にしろって感じではあるかもしれない」

「...ですね」

「でも弓親。アイツらの事を想像して破滅するのは良くない」

「...」

「お前が苛立つ理由も分かるが奴らは...そのうち何もしなくても天罰が降ると思う。だからお前に苛立ってほしくない」

「...ですね。先輩の彼女です。...だから落ち着きます」

「ああ。そうしてくれ」


それから私は「...話変わるんですけど」と言った。

そして私は「...お父さんがその。過労で倒れまして」と言う。

内緒にしていたけど...ここで言わないと先輩が心配するかも、と思った。

すると先輩は「え?大丈夫なのか?」と聞いてくる。


「はい。...というか働き過ぎですね」

「娘に甘いもんな。お前の親父さん」

「そこが良い点ではあるんですけどね」

「...報告したのか?俺らが付き合っているの」

「はい。...というか察しているみたいだったので」

「そうか」


そして私は「...先輩。彼氏になってくれてありがとうございます」と言う。

お父さんも喜んでいたし。

考えながら私は笑みを浮かべる。

すると先輩が「...今度お見舞いに行きたい」と言ってくれた。


「じゃあデートと一緒に行きますか」

「お、おう。デート付きか」

「そうですね。フルコースです」

「そうか。分かった。じゃあそれまでに決めておくよ」


私は「はい」と笑みを浮かべながらそのまま電話を切る。

それから私は胸に手を添える。

ヤバイ。

滅茶苦茶に心臓がドキドキする。

というか楽しみで仕方が無い。


「お父さんゴメン...」


何か利用する形になってしまったけど。

思いながらも私は嬉しさで小躍りしていた。

そして私は洋服箪笥の中から服を取り出す。

それから選んでいく。



デート、か。

そう思いながら俺は切ったスマホを見る。

そして俺はスマホをベッドに投げてから天井を見上げる。

正直...こんな事になるとはな。

また女子と付き合う事になってデートする羽目になるとは。


「分からんものだな。人生って」


しかしアイツの親父さん大丈夫かな。

滅茶苦茶、体が弱っているのは知っていたけど。

風邪も毎年の事。

インフルも、であるが。

可哀想に。


「まあでも...気晴らしには良いよな。...奴を忘れられるなら」


そう思って居た矢先の事だった。

電話がかかってきた。

それも...八乙女から、だ。

俺は苛立ってから着拒にした。

そして俺は横になる。



そして翌日を迎えた私。

起き上がってから直ぐに家を飛び出す。

それから先輩の家に向かった。

インターフォンを鳴らす。


「はい」

「私です。弓親です」

「ああ。弓親か。...開いてるぞ」


私は門を開けてからそのまま構わず玄関から入る。

それから私はリビングに居る先輩の元に向かう。

先輩は驚いた目で私を見ていた。

パジャマ姿だ。


「何をしに来たんだ?朝早くから?」

「モーニングサービスです」

「モーニングサービスっておま!?」

「はい。彼氏彼女なんですから」

「いやいや...それでこんな朝早くって」

「先輩。ササッと着替えて下さい」


「私がズボンとかパンツとか脱がしましょうか?」と言うと先輩は「い、いや。良いよ」と赤面してから奥の部屋に退避する。

別に下半身を見るぐらい構わない。

それに...何時かは必ず見ないといけないのだから。


「赤ちゃんを作るのに...ウフフ」


私はそう赤面しながら悶える。

それから私はルンルンの気分で朝食を作り始める。

目的はこの為だ。

とにかく朝ご飯を作りに来たのである。


「八乙女が出来なかった事を全部しないとね」


そう呟きながら私はスクランブルエッグを作ったりする。

絶対に私は彼ら彼女を許さない。

社会的に抹消する。

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