2/22 am 3:17 夜食

@Y_axis_tamanikakuyo

am 3:17

寝る前に小腹を空かせてとりあえず冷蔵庫を開ける、その行為はなにか食材を探すためではなく「とりあえず」だ。ベーコンがあった 消費期限も近い 丁度いい

フライパンを取り、食欲そそる音と匂いを出してしまうことを寝ている家族に心の中で謝る。

冷えきった手をジュージュー鳴るベーコンの上で温める、現代において数少ない 人類の文明に、人類が火を恐れなかったことに感謝する時間だ

ベーコンに少し焦げ目が付いてきたら、火を止め あとは余熱で焼く、食器棚から出した器にご飯を盛り付けて──おっとジャストでご飯を使い切った、ちょっと嬉しい、勿論炊飯器を切ることも忘れずに

何をかけるでもなく、ただ白米の上にベーコンを乗せ、コップ一杯の水と一緒に机へ運ぶ。

真っ暗な部屋に机のスタンドライトだけを付け「良い感じの雰囲気」が出来上った、これが俗に言う「エモい」だろうか?それとも「チルい」だろうか、そんな逡巡の時間ももったいない、こうしてる間も刻一刻とご飯は冷めているのだ

無音の空間で黙って箸を進める、自分の食べる音が気になるが、イヤホンで無理矢理音をシャットアウトなどしたくない、音楽を流すなどもってのほかだ

世界が眠ったと錯覚するほどの この静けさが私は好きなのだ、せっかくのこの無音を聴いていたい

余計な情報を脳に送りたくない食事中に、誰にも何にも邪魔されない、誰も深夜3時半のベーコンご飯を止められない、これ以上快適な夜食があるだろうか

完食してからも数分間 口の中に残ったしょっぱさとこの至福の時間を味わう

夜は大好きだ、私はこんな贅沢な一時に耽ることができる深夜が 一日の中で一番大好きだ

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