まぁいったんね
「うーん…」
久しぶりに家の地下施設に入り、なにかないかと見てる訳なんだけど、何も無い。まぁ、そりゃそうだし
「都合よく見つかったら、そう苦労しないよねぇ…」
適当に壁を壊しまくってもいいけど、どうなるかわかんなくて下手に壊せないし。
家壊れたら最悪だもん
そうして私はとりあえず、壁を叩いて音を聞いてみる。
裏が空洞なら音が〜みたいな話を聞いたことある気がする。わかんないけど!
「もう誰かに手伝ってもらっても…」
手伝ってもらうなら、誰だろう?
美華でもいいけど、なんか毎日家に来そうだから却下。
唯華さんは忙しいらしいから無理だし…天海さんは論外で、沙羅は…意外とあり
「……そうだ、この施設のことはなんて話せば」
こんなところに誘ったら面倒なことになるの忘れてた。じゃあ手伝わせれないじゃん…詰み?
「結局一人でやるしかないってこと…?はぁ…」
なんであるって保証もないのに何かを見つけなきゃダメなんだ、もう辞めてもいいんじゃないかな。
どう探せって言うんだこれ…誰か教えて欲しいぐらいだよ
「もう今はいいやめんどくさいし」
もしあれば私が今知りたいことが記されてる何かがある可能性も高いけど、無駄に探し回って時間を使いたくないし。なかったら最悪だし
「そうだ、もうすぐお昼ご飯の時間だ」
今日は何を食べよう?なんでもいいから、お腹が脹れるものを…
「いいこと思いついた。私が好きだったものを食べに行こう」
私が過去とは別のただ退屈な日々を送っていた時に好きだった物。
「お寿司…!」
お寿司の中でも特に玉子が好きだった。
マグロとかも悪くはなかったけど、結局は玉子に行き着いたんだよね
今ならもしかしたら、マグロのよさもわかったのかもしれないけど…
「場所なんてわかるわけないから、早めに出て歩いて探そ」
最悪お寿司じゃなくてもいいわけだけど、どうせならお寿司が食べたい。
お金ならある訳だし、いいお店でも…あっ!
前唯華さんと食べに行ったところあったんだった、お店の場所どこだろう?確か…
「あっいや、魔物狩り終わってからだったから距離あるか、残念」
悲しいけど、仕方がない。ほっつき歩いたらお寿司以外にもいいお店あるかもしんないし?
「お寿司屋さんないな」
あれから数十分経過して、そのままお寿司屋を探してはいるものの、なかなか見つからない。
都会とはいえ流石にそこらにお寿司屋さんはなかったみたい、残念だ…。
「諦めて適当なの食べよ、お寿司はまた今度食べたらいいや」
食べたかったけど…ないんじゃ仕方がない。
こういう時に地図があれば便利なんだけど
そのままお昼ご飯を適当なお店で済ませた。
普段なら家に帰ってゴロゴロするけど、今日は美華に学校まで迎えに来るようお願いされてるから行かないと…あと3時間ぐらいしたらかな?
「確か地図を貰ってるはず」
えっと、ここからは…ていうか今どこ…?
とりあえず家からならなんとか行けるように昨日印つけておいたから、一旦家に帰らなきゃか。
「美華はなんで私を帰り道に誘ったんだろう」
話があるなら、その後どうせ会うのに。唯華さんがいると不都合なことでもあるのだろうか
…まぁ考えてもわかるわけ無いから、とりあえず家に帰って少しゆっくりしようかな
多分迷子になる想定でこの時間帯に向かってって言われてるよねこれ。
仮の妹に舐められてる姉…悲しくなってきた。何が悲しいかって事実なところ
「絶対30分ぐらい前についてやる」
私の方向音痴はそんなに酷くないんだぞってところをみせつけてやるんだ
「そうとなればもう行って、暇な時間が出来たら…周囲をうろちょろしとけばいいんだ」
実は負けず嫌いなのが判明した瞬間だった。
◇
「お姉ちゃん、これるかなぁ…」
授業を受け、窓の外に浮かぶ自由な雲を見ながらふと言葉に出てしまう。
お姉ちゃんの方向音痴は重症とまでは行かないものの、それはそれは酷かった印象がある。
『じゃあこの問題を…東雲、答えてくれ』
「あっ、はっはい!」
とはいえ、授業にも集中しなきゃだよね…
考えるのは後にしよう。
「ふぅっ…」
ようやく授業がおわった。あとはお姉ちゃんを待って、帰るだけなんだけど…ちゃんと校門にいるかな…?
心配しても仕方がないよね、ひとまず校門に向かってみよう。
◇
「うーん?」
逆に地図が悪い説…ない?
見方が難しすぎるっていうか、分かりずらいというか…現在地が分かりずらい…
高く飛んでもわかんないよこんなの
「よし。当てずっぽうにしよう」
学校はわかりやすいから、適当に高く飛んで学校を見つけさえできれば、そこに全ベットであとは祈るきっと近くまで来てるし、大丈夫…!!
となれば、人目のつかないところで、尚且つ周りが見れそうなところに…
「よし…ほいっと」
どこかに着地できたらいいけど…あっ、学校あるじゃん、流石にあまり目立つから走るかな
「時間大丈夫かな…いや、早めに出たし大丈夫なはず」
美華いるといいけど、どうだろう?この辺学校多いとかなら結構詰むからお祈り。
この学校じゃなかったら潔く怒られよう
あれ、今嫌な気配がしたんだけど…
「魔物だ…もう、最悪」
いや、これは逆にいいかも。
いい言い訳に使えるくない?魔物倒してたからって…よし、いますぐいこう。
変身してすぐ向ったのだけど、この魔物弱いしどうしよう…これで納得してくれるかな?
いや、向こう側は魔物の強さなんて知らないはずから大丈夫
よし、言い訳も出来たし向かお…う?
…なんであの人、こっちをガン見してるんだろう?
そしてなぜ避難してないんだろう
もしかして魔法少女だったりして。
獲物取っちゃった?取っちゃったなら仕方がない。
まぁいいや、行こっと
『……』
『あっ、お姉ちゃん!遅いよ!』
「ごめん、魔物いたから倒してた」
『え?そうだったの?』
「うん、だから遅れた」
『じゃあ仕方がない…のかな?』
「うん、そう。じゃあ帰ろう、どっち行くの?」
『あっうん、こっちこっち』
「最近、魔物が多いね」
『そうだね、魔物も強くなるし…私にとっては最悪だよ…』
「美華も強くなれてるから、いいんじゃない?」
『そうなんだけど…ちょっと不安だなって』
「うーん…もっと多くしたら、強くなるかな」
『えっ…』
「半分冗談」
『半分本気なんだ…』
でも、本当にそうした方がいいのかも?
魔物の強さが今も尚上がってきているならもっと鍛えなきゃ危ないし。
でも、施設の探索で忙しいし、それが終わるまで待っててもらおう。
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