TS転生してたので、魔法少女達(曇らせ)を見に行きます。

突然の出来事

最新話の方は書き方が少し違っています。

もちろん全話修正するつもりなので、よろしくお願いします。



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75年前、 突如として魔物が全世界にどこからともなく現れ、街と人を襲った。

人類の科学力では為す術もなく、人類はどうしようもない深い絶望に堕ちる。

はずだったのだが、人類にはまだ希望が残されていた


魔物が訪れたその日から、少女にのみ訪れる妖精 フリー妖精。彼女らと契約を交わし力を手に入れた魔法少女は、魔物を撃退し街を守る存在へとなった───





そんな日々が続き早数十年

は、7歳を迎えていた。

今日は朝から家族のみんなが、私の誕生日を祝ってくれていた。



自慢では無いけど、私は友達が多い方だと思っている。

きっと学校に行っても友達のみんなが祝ってくれるはず

そんな嬉しい気持ちになりながら登校している、そんな時だった


後ろからいきなり何か鈍い物で打たれ、痛みがはしる。

──それは、私の人生を良くも悪くも変えるものだとも知らず、私は意識を落とした。





私が連れてこられたのは、白くほとんど何もない部屋だった。

何が何だか分からなくなり、何が起きたのかと考える。

が混乱している頭で何が起こったかなんてわかるはずもなく、周囲を見ていると──ガチャっと扉が開く音がした。


その時の私はきっと誰かが誕生日プレゼントとして用意してくれたんだ、そうに違いないと、唯一の希望に縋るように扉の方を見たが、その希望も無意味に、無情に破られた。


「…だ、だれ…?」


見たことない部屋、知らない人に怯えながらなんとか声を出す。

立っていた知らない人──男性をよく見てみると、まるで私のことを人間として見ていないような目をしている。


『…お前は今日から私のモルモットとして、働いてもらう。』


男はそういった。

モルモット?何それ…??と困惑していると、男が口を開いた


『こい、…実験開始だ。』


そう言った。



私は抵抗したが、幼い私が大人の力に勝てるはずもなく抵抗虚しく連れていかれた。

どこかの部屋に連れていかれると、目にはいるのは謎の拘束器具と、謎の椅子。


私は椅子に座らせられ、拘束された。


「な、なにこれ…?」


私は恐怖で涙目になりながら口に出していると、先程の男何かを持って私の前へ現れた

どうやら、注射器のよう。


『…まずは??#/&からだな。』


男はギリギリ聞こえる声そう言うと、私に何かを投与してきた。

その''何か''が体に流れた瞬間、考えられないほどの痛みが走って来た。


「───ッ!?カハッ!?ァ…グァ…ウッ!」


まるで全身が焼かれてるような痛み。

焼かれているような感覚なのにとんでもない寒気や吐き気がする。

もうやめてと心の中で叫ぶが、それも虚しく。


「ャ…グッウァ!?…めァ!ァ…」


そうして私は痛みのあまり、意識途中できれるのであった─────




目が覚めると再びそこは白い部屋。私は何も考えれず周りを見渡した。本当に何も無い質素な部屋

そこでふと、私の体が震えてるとわかった。


「こ、こんなところ⋯いやだよ⋯ド、ドアがあったはず⋯そこから逃げよう⋯!!」


扉を見つけ、開けようとするが⋯⋯何度開けようとしても、何度開いてと願っても、何度やっても開かない。

そこで私はわかってしまった。


あぁ⋯もう、私にはどうすることもできないんだ⋯





そこからは薬漬けの毎日だった。

謎の液体を投与される毎日は地獄だった

脳が焼かれるような熱さ、熱くて熱くてしかたが無いのに、なぜかある寒気、激しいめまい


時には血を吐いたし、最初のうちは毎日意識が途切れていた。

そんな地獄のような日々の中で、食欲なんてあるはずもなく、何も食べない日も平気であった。





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そこから、何年経っただろうか。


もう、痛みも寒気も熱さも吐き気もめまいも何も感じなくなってしまった。

もう慣れてしまったのだろう、毎日運ばれてくるパンも食べれていた。

ほんとこのパン味しない、そんなどうでもいいことを思いながら食べていた。


次に浮かんできたのは、髪について

以前の私は、こんなにも髪は長くなかった。

何年もの歳月を経て、伸びて邪魔に感じるような長さまで髪が伸びたが、最近は髪が伸びていないようにも感じる。


そして、髪色について。

元々私黒髪だったと思うが、あれやこれやと投与されてるうちに白髪になってしまったらしい。


まああれだけのことがあったんだから、こうなっても仕方がない。

そんなことを考えていると、気配を感じた


どうやら、今日もこの時間が来たらしい。


──ガチャ 扉が開いた。


『…時間だ』


もう私は抵抗する理由もないので、大人しく彼について行く。

もう薬の投与にも慣れてしまった。



私の性格も最初に連れてこられた時より、随分冷静になったと思う

最初は毎日泣きじゃくっていたと思うけど、最近は涙すら出てこない

そして私の記憶⋯昔の記憶は、まるで霧のように何も見えない、思い出せない。

楽しかったのだろうか?苦しかったのだろうか?その程度のことすらあまり覚えていない。



そう考えているうちに部屋についた。

私は、無抵抗のまま椅子に座るといつも通り拘束道具が付けられていく。

この後いつも通り薬が投与されるのだが、薬の色に違和感を覚えた。


いつもは緑色なのに、今回は白色だった。

もしかして水なのだろうか?そんな意味のわからないことを考えていたが、抵抗したとて意味がない、結局受けるしかない

そう考えているうちに投与されてしまっていた。


「………ッ!?」


頭がハンマーで思いっきり叩かれたような痛みが走った。

さすがに最初の実験よりましだったけど、痛みを感じたのは事実で。


声が出そうになったが抑えれたが、私は汗が出ていたらしい、こんなこと最近じゃありえなかったから、物珍しく感じる。


完全に投与が終わり、彼が注射器を抜いた時、私に何かが記憶の中に溢れてきた。


困惑していると頭の整理が終わり、こう結論がでた。


「前世の記憶…」


どうやら私は、月島優斗という日本人だったらしい。







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月島優斗、それがの名前。

人生の半分は病院で過ごしていると言ってもいいほど、僕の体は弱かった。初めてその話をされた時は7歳で、その時は絶望し、泣き喚いたっけなぁ…なんせ20歳を迎えれるかどうかレベルの病気なのだから、仕方がないとも言えるだろう。


今はまだ15歳。

本来なら中学三年生だ。たまに学校に行く機会はあるが、何日か繰り返してるうちに倒れ、入院し、また退院しの繰り返しだ。

嫌になるよね。わかる


もはやずっと病院にいた方がいいんじゃないかと思う人もいるかもしれないけど、どうせあと5年以内の命だ。

今のうちに楽しんどいた方がいいだろう。その考えを両親も納得してくれたようで、中学校にはたまに登校していた。


とはいっても、途中から来た僕に友達なんてできる訳もなく。

正直虚しい。


そんな僕でも好きな物はあった。



魔法少女だ。

魔法少女は、数十年前に急に湧いてでてきた魔物達を倒す存在。いわゆる最後の希望だ。僕はそんな魔法少女が好きで、テレビなどでよくみていた。


とは言っても、実物とか見たことないけどね。

そんな風に、僕なりにそこそこ充実した毎日を暮らしていた時だった。


病院の付近に災害クラスの魔物が現れたのだ。

付近の地域は破壊し尽くされるだろう。

そんなレベルで危険な魔物が災害レベルの魔物なのだ。


僕はまずいと思い、必死に逃げようと院内を走ろうとしたが、頭痛が襲ってきた。

上手くたてずに崩れてしまった。

必死に起き上がろうとしたが、体に力が入らない。

僕はどうしようもなく、そのまま殺されてしまった────。





というのが、前世での記憶らしい…中々可哀想な人生だったんだね、それはそうと、…か


魔法少女とは世のため人のために戦う美少女達。

なんで少女に魔物みたいな化け物と戦わせるんだとか思わないこともないけど、まあ仕方がない⋯と思う

なんせ化学兵器じゃ傷1つつかないらしいもんね。


前世の記憶を思い出してから、なんだかうずうずとした感情が湧いて溢れてくる。

なんでだろ??うーん…

考えるまでもなく、すぐに浮かんできた


前世から引き継がれたのかは知らないけど、魔法少女がどうしようもなく気になるんだよね、原因の1つによろしくない感情がある気もするけど⋯


今世って言うのかな⋯前世とは違って、1つ明らかに違う感情⋯癖が芽生えちゃったんだよね。


知ったのはここ数年のことなんだけど、別の職員が私を見ていた時のことだったかな?罪悪感、無力感に襲われている顔をみて実感したのは


多分なんだけど⋯私のことを助けてあげたいのに、それが出来ない無力な自分を恨んでる

悔やんでるのに、自分の命が結局は惜しく、助けれない、そんな自分が大っ嫌いな表情。

そんな感じだったと思う、あれはなかなか迫力があって、記憶から抜け落ちなかったなぁ⋯


正直ぞくぞくした

私のことではあるけど、なかなかやばい⋯特殊なものを持ったと思うってのはさておいて⋯


「魔法少女か。気になる⋯」


さっきからずっと気になって頭から離れてない、これもあれのせいだよね⋯

正直ここを脱出することならいつでも出来る⋯はず、ここが地下100階の迷宮みたいなところでもない限り


え?じゃあなんで今まで脱出してこなかったのかって?理由は思考能力が著しく下がっていたから


『髪邪魔だな…』 『ずっとパンだな…』


とかしか考えてなかったからだもんね、私は悪くない。

何かしらの薬で思考能力が制限されてたのかな⋯?


けど、今はもう大丈夫。

ちゃんと考えれるし、ちゃんとふざけれる

脱出する理由ができたのはいいんだけど、どうしよう…


そんなことを考えていると、''何か''の気配を感じた。


「職員…?いや、違う、外だ」


そうして警戒をしていると─ド'ゴ''ォ''ォ''ン''!!

と、轟音が鳴り響いた。

轟音と共に、研究所でも音が鳴り響いた。


すんごいうるさかった


『災害級魔物出現。繰り返す。災害級魔物。出現直ちにこの場を捨て逃げてください。』


ふむ、災害級魔物⋯は、確か前世でお世話になったよね?お礼にぶっ〇して⋯いや、今はその時じゃないか

いい機会だし、そろそろここともおさらばしようかな


私は気分が上がり、こう言う。


「脱出ゲームのはじまりはじまり〜」


黒歴史確定のセリフを言いながらドアを破壊し、歩き出したのであった───












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