経済政策と税金

ゐむる

経済政策と税金

「国債発行額が年々増加し、国民1人当たりの借金は1000万円以上にも及ぶ。」「将来世代に借金を残してはいけない。」「新たな施策を行うためには新たな財源を確保しなければならない。」

そんな風な声がよくマスメディアや与党政府から聞こえる。しかし、本当にそうなのだろうか。


例えば新たに生まれた君主制の国家について考えるとする。誕生したばかりの国なのでまともなインフラが整備されていないとすると王様が国民に対してインフラ整備を指示し、王様は報酬として国で発行するお金を渡すことにする。このお金は国民同士の売買にも用いられることになる。このインフラ整備に数年かかるときには王様は国民に対して多くのお金を渡すことになる。お金の流通量の増加はインフレに繋がるので“税金”という形で王様がお金を回収するようになる。


上記の例のように元来“税金”を取ってから国の使えるお金を決めるのではなく、先にお金を発行した上で税金を取ることが“普通”である。



学校の社会でも習う“税金”の意味について考えると大きく4つに分かれるだろう。


①インフレ対策・デフレ対策

国内に多くのお金が流通していると物価が上昇するインフレが発生してしまう。これを防ぐために国が税金を使ってお金を回収する(増税)。一方で国内に流通するお金が少なくなると物を購入することが難しくなり、物価が下落してデフレが発生してしまう。これを防ぐために税金を使って回収するお金を減らす(減税)。


②所得や資産の再分配

より多くのお金を持っている人にはより大きな負担を求め、かつ社会保障の給付等を行うことによって経済格差の是正を行う。所得税や相続税がこれにあたる。


③国内産業の保護

海外から輸入される製品に対して国内産業の保護のために関税を課すものである。


④購買意欲を削ぐ

法律で規制をすることは出来ないが、社会的に流通させることを抑制する。たばこ税などがこれにあたる。



色々な調整のために課した税金によって国が得た歳入に対して国が使う歳出が勝るとき、政府は国債を発行して補填する形になる。この国債は大抵“国の借金”と表現され、返さなくてはならないと言われるが、先程の君主制の国家の例に立ち返れば国が生まれた直後に国民に対して渡した報酬は国債によって発行されたものであって返さなくてはいけないというものではないだろう。そもそも国債は“政府の借金”であるが、発行元自体が国なので返すという概念自体が存在しないはずだ。自分のお財布から出したお金を借金ということにはさすがに無理がある。


もちろん、やたらむやみに国債を発行すればお金の流通量が増加しインフレに繋がりかねないが、一定の範囲での国債発行は何ら問題にはならない。日本以外の他国に目を向けてみると日本が発行する国債はここ20年間では2倍程度に増やしたが、イギリスやアメリカなどの他国は6倍程度にまで増やしている。正直まだ日本はより多くの国債を発行しても大きな問題には至らない可能性が大いにある。



平成元年に導入された消費税は当初は3%だったが、平成9年には5%、平成26年には8%、令和元年には10%(軽減税率8%)と変化し、新たな財源の確保に動くような増税が繰り返された。これに加えて社会保険の負担が大きくなるなど今や国民の負担率は50%程度にまで及ぶ。こういった経済状況から将来世代である子どもの数が減少し、少子化を加速させた。そんな中で「子ども子育て支援金」という名目でさらにお金を徴収しようとするのはあまりまともな策とは言えない。


コストプッシュ型のインフレが加速する現在において国内でウハウハな会社も個人もおらず、相対的に購買力が低下すると言わざるを得ない。コストプッシュ型のインフレのときには使うことができるお金を増やすことが必要である。購買力の低下は経済の低迷、つまりデフレに繋がることである。デフレの是正のためには“減税”であるというのが教科書にも書かれている手法である。


国債発行額の増加に対しての批判として「将来世代に借金を残してはいけない。」と“将来世代”が挙がってくるが、現役世代の税金等を引いた手元に残るお金は物価の上昇などに伴って相対的に減少し、“将来世代”にあたる子や孫の世代が急速に減少している。子どもが欲しくても持てない理由の1つとして経済状況が挙げられる。少子化対策の有効な手段としては子育て世代である若者の使えるお金を増やすことに注力することであろう。例えば所得税や消費税の減税、結婚一時金の制度の拡充や子ども手当の拡充などがそれに当たるだろう。



政治家の方々がまず第1に頭に入れておかないと行けないのは“税金≠財源”であるということだ。減税を行っても国内の消費が加速すれば税収の増加は十分にあり得る。得られた税収に応じて一定の国債発行を加えて歳出の項目を決めて行くことが必要だ。あくまでもお金の発行が先である。




・参考文献

https://xn--het921eba52kfp927h.com/tax/about_tax/role.html

http://xn--7mq406l.net/?p=4449

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