第75話
「別にいいけど」
「は?」
「ヨウが私のこといらないなら、使い物にならないって思うなら、私はすぐに消える」
「…あんた」
「だけど、私が駆除するべき害虫なのかどうかを決めるのはヨウであって弟くんじゃない」
私はヨウと二人で過ごす時間に価値を見出せている。だけど、ヨウがいらないと言うなら身を引く。
私は、ヨウの彼女なんかじゃないのだから。
「そこまでにしろ」
「兄貴…」
「分かっただろ?」
「…ああ」
ヨウに怒られてしょんぼりしている弟くん。
私はそんな様子から目を逸らしながらカレーを食べ進めた。
「アイ」
「ん?」
「いなくなるな」
「…うん」
ヨウが私に飽きるまでは、きっと。
だって私は一人でご飯を食べなくて済んでいる。一人ぼっちの時間が減った。一度も口を開かない夏休みを過ごしていない。
去年の夏よりずっとずっとマシ。
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