第7話

好きなんて言えるわけない。大人になって恋愛に臆病になっているのに可能性の見込めない相手に告白なんてもうそんなこと出来るほど若くないよ、私。



なのにこの関係を終わらせられないなんて本当に矛盾してる。でももう、非生産的な週末の使い方をしたってしかたない。


けじめを、つけなくちゃ。




「……1年経ったね」


「何が」


「私達が出会って」




少しだけ、悪足掻きをさせて。奇跡が起こらないぐらい可能性が無いのなら身を引くから。コイツとさよならするから。




「興味ねえな」


「うわ…、あんたって記念日とか大切にしないタイプでしょ。見るからにそんな感じだけど」


「時間なんて関係ねえだろ」


「そういうのを大切にしたいんだって女の子達は」




実のところ、私もあまり記念日とかを大切にする方じゃない。ふと気づいた瞬間にああ、この人と何ヶ月も何年も一緒にいるんだって思ったらその時間が愛おしくなる気がして。あまり意識的に祝おうとか思ったことがない。

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