第3話 これがスラム。

敷地から外に出ると大通りに向かった。


久しぶりの外の空気は新鮮だった。


大通りを進み武器屋を探す。暫く進むと武器屋を発見して中に入る。中には色々な武器がケースの中に並べられている。


「おい、お前金は持ってるのか?」


声を掛けられた方を振り向くと店主らしき人に話しかけられた。


「金はある。魔力持ち用の武器はあるか?」


「ハンターライセンスのカードを出せ」


ん?なんだそれは。俺は正直に分からない事を伝えた。


「お前ハンターでも無いのに金を持ってるのか?理由は聞かんが用心しろ。誰かに知られると直ぐに襲われるぞ。まあそれはいい。お前ハンター以外に魔力持ちの武器を売れないのを知らないのか?欲しければハンター登録してから来い。それから最低限そこにあるランクの武器を買っておけ。試験すら受けられんぞ」


「分かった。ありがとう」


このおじさん見た目は無愛想だけど、意外といい人だな。もしこの店に問題がなければこのこれから店を利用しよう。


それから俺は衝撃吸収が施された上下のインナースーツと、上に着る樹脂性の防具と、装備を身につける為のベルトやケース、小型のナイフや少し大きめのハンドガンや、予備の弾装や大量の弾薬や、大きめのリュックや丈夫な革靴等を購入した。


「全部で20万だ」


俺はポケットから封筒を取り出し、万札を20枚数えて渡した。


「スラムでは大金だがちゃんと払える様だな」


すると受け取ったお金を機械に差し込み支払いが完了したようだ。


「偽札は無いようだな。それからこいつはおまけだ。こいつはその銃でも使える徹甲弾だ。普通の奴相手なら通常弾でも十分だが、装備を来た奴や、魔力持ちには殆ど意味がない。それから此処で全部装備して、念のため徹甲弾の弾装も装填しておけ。武器屋や質屋とかは見張ってる奴もいる。特に独りでくるガキは狙われやすい。必ずまた来いよ」


「分かった」


このおじさんはかなり親切だな。恐らく大金を一括で払ったのが良かったようだ。


それから購入した物を装備して、予備の物や来てきたふくをリュックに仕舞い店を出た。


久々に普通の人と会話をすると上手く喋れなかった。これから少しずつ慣れないとな。


暫く進んでいると、どうやら後を付けられてる様だ。


あの怖い老人への恐怖から人の気配や視線に敏感に成っているようだ。あの地獄の日々はかなり役にたっているが、絶対に感謝はしたくない。


すると前からも視線を感じたので路地へ入り走り出す。


さすがにこの辺で何かやらかすと問題になる。それにこの辺の徒党の関係者だったら厄介だ。誰にも見られない場所じゃないと反撃も難しい。


隣の徒党に入ると追って来なくなった。


一息入れてゆっくりと歩き出すと目の前の路地から男が現れた。


「逃げられたと思ったか?残念だったな。お前の用なガキを殺す位なら他所の徒党で」


パン。パン。パン。


俺は油断した奴に3発発砲して走り出した。


「いってーーー。あのガキ徹甲弾を撃ちやがった。殺せーーー」


あー。何か後ろで叫んでるのが聞こえる。3発目は顔面を狙ったが外した様だ。流石に近くても素人では小さな的には当てられないらしい。


俺は曲がって直ぐにかべに登り屋上に登り反対側の道に出る。


そして何か叫んでる奴の方向に走り出す。


「いてーー。何であんなガキが徹甲弾なんて持ってんだ。くそ。他の奴も呼んでこい」


それを聞いた俺は角から飛び出し、発砲しなが近付いていく。


俺が最初に撃った奴の側に居た奴の肩に当たり銃を落とした。そしてそれより手前に居る奴の足に当たり倒れた。


足に当たった奴はそのまま撃ってくるが狙いが定まらないようだ。そのまま近付き頭に命中した。


すると最初に撃った奴の玉が俺の足に当たった。鈍い痛みが走ったがそのまま進む。


すると肩に当たった様で銃を落とした。


そのまま走り出して落ちている銃を蹴って自分の銃の弾装を入れ換えてもう一人の頭を撃ち抜く。


「ま、待て。お」


パン。


そのまま二人目の頭も撃ち抜いて走り出す。路地に入ると他の奴の声が聞こえてくる。


「おいヤバいぞ。他の徒党で銃撃戦してこっちの死体まで残したら戦争になるぞ。俺はこの都市から逃げる」


その声を聞いていた俺は角から飛び出し発砲する。


一人に当たり、もう一人は逃げ出した。


残った一人は悶え苦しんでいるようなので近付いて頭を撃ち抜いて、すぐさま走り出す。


逃げた奴を追いかける訳ではなく、元の徒党の場所に向かってだ。


それから大道りに出るとゆっくりと歩き出す。


あそこで俺が銃撃戦をしていたガキだとバレれば更に厄介な事になったはずだ。それに逃げた奴には顔を見られてないはずだ。俺を着けていた奴と前から来た奴と声をかけてきた奴の気配は覚えたので間違いなく殺した。


流石に服装位は覚えているかもしれないが、顔は絶対に覚えられてないはずだ。


そして俺は無事に拠点にたどり着いた。


正直焦った。


最初に声をかけてきた奴は魔力持ちだった。しかも防弾服を着ていたせいで慌てて顔を狙って外した。


その後も何発か当たってた筈だが痛がるだけで血は出てなかった。


更に俺の足に当たった玉は防護服を貫通はしなかったがかなり痛かった。相手が痛みに慣れてないお陰で仕留められた用な物だ。


今日の反省点を考えながらそのまま眠りについた。





「おい田島、うちの島で暴れた奴等の素性は分かったか?」


「はい。隣の徒党の奴等です。逃げようとしていた奴は当たりどころが悪く直ぐに死にましたが、現場には隣の徒党のボスの後藤の弟の死体も有りました」


「そうか。なら20人ばかり連れて落とし前着けてこい。それから後藤の奴は出来れば生かして連れてこい。暫く生きて話せる状態なら何しても構わん」


「分かりました。直ぐに出ます」


「あいつら一体何をしやがった。元々評判の悪い奴等だったが、うちの島に入ってまで何をしていた?あの辺に住んでる奴からも情報を集めるか。最悪は情報屋から買うしかないか。面倒を起こしやがって。中の奴等が関わっていたら最悪この辺の奴等皆殺しだと分かってないのか?これだから若い徒党は最悪なんだよ。糞が」


内心の怒りをぶつける様にガラスのコップを壁に投げつけた。


コップが割れる音と共に多少溜飲が下がり落ち着きを取り戻す。


それから他の面子に連絡をして情報収集を始めるのだった。





パン。パン。パン。パン。


「何だ?どっかのかちこみか?一体どこの奴等だ」


すると勢い良く扉が開き駆け込んでくる。


「後藤さん、隣の三橋の奴等です。表と裏両方から来てます。今の人数だと直ぐにここまで来ます」


「は?何で三橋の奴等が来るんだ?お前何か知ってるか?」


それを聞いて少し言いづらそうに話し始めた。


「恐らくですが、後藤さんの弟が何かやらかしたかもしれないです。最近色んな店で待ち伏せして、人目に付かない場所で金を奪っていたようで。それに隣の島まで逃げた奴も追い掛けて殺していたそうです。それで今日も」


「待て。俺はそんな話聞いてないぞ。確か最近他所から来た怪しい奴等を捕まえてるって話じゃなかったのか?」


「え?俺は後藤さんから許可は貰ったって聞いてましたけど。他の奴も同じ事言ってましたし」


「おいおいおい。そんな許可出す訳無いだろ。じゃあ何か?今俺は糞みたいな弟と、俺を裏切って弟に着いた奴等のせいで殺されそうになってるのか?」


「お、恐らくは」


「てかお前何でそこまで知ってて俺に報告しなかった?お前も俺を裏切ってたのか?あーー?」


怒りのあまり銃を向けて足を撃った。


「ご、後藤さん。後藤さんも悪いんですよ。もう俺以外の全員が後藤さんの弟に着いていて、明後日には後藤さんを始末する事まで決まっていたんですから。ちゃんと、下の管理が、出来てない、あんたの責任だ。俺のせいじゃない、俺のせいにするなーーーー」


すると隠し持っていた銃で撃たれた。


「ぐっっっっ」


糞。腹を撃たれた。この血の量じゃ助からん。責めてこいつも道連れに。


そして俺は奴が倒れてる場所に向けて手榴弾を投げた。


すると爆発と共に血と肉が飛び散るのが見えた。


「はっははっはははっ」


今までの出来事が蘇る。


弟と一緒にスラムで生きてきた。必死に金を集めてハンターになった。気の合う奴らが集まってパーティーを結成した。


一つ上手く行くと他の事も上手く行き始めた。それから商人と直接取引出来るようになりかなり儲けた。そして金の力で装備を整えて、弱そうな徒党を蹴散らし乗っ取った。


全てはこれからだったのに。



そして俺はゆっくりと目を閉じた。

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