第45話キュー太郎
スマホで検索して他にもあると画面を見せた。
画面をホログラム化して大画面に出来るので、良く見える。
「沢山あるんだね。かっこいいのもある」
一番興味を抱いたのはでかいシールだ。
こういうでかいシールは大人は全く使わないだろうね。
「家具とかノートに貼りまくったな。家庭とかよくそういうの見た事ある」
「家具に貼るのか……貼りたいなぁ」
「貼っても良いと思うよ。うちの家具は超高級品ではあるけど、簡単に剥がれるし」
剥がすにはそういう道具がいるけれど、宇宙科学の前ではなにもなさない。
簡単に剥がれるし、跡も残さない仕様だ。
回復魔法にも起因しているものもあるが、シール剥がしは単に科学面が進化しているだけ。
というわけで、キラキラとか厳かなものなどを購入する為に、タブレットを持つ。
画面には、色々シールが表示され父はじっくりと見る為に私からタブレットを持つ。
キュー太郎も興味深そうに画面を眺めて、私の頭から父ハインベルトの頭に移る。
もふもふだね、と気持ちよさそうに彼を撫でる。
シールを眺めてシマエナガを撫でる。
それを眺めつつ、キュー太郎も画面を眺めているのでお互い持ちつ持たれつ。
エマが欲しがるかもしれないから、シールも追加で買っておこう。
父はこれが良い、とガイコツのシールを示す。
小学生の男の子の感性!
でも、初めて見たんだから欲しくなるものなのかもしれないね。
わかるわかる。
女の子ならリボン、ということは母はリボンとか欲しがるかもしれない。
ファンシーな模様。
シールを購入するカゴのマークのものを押す。
購入歴が増えていく地球のものに、なんだか懐かしさと、嬉しさも同じ様に増えていく。
キュー太郎もどれが欲しいかと聞かれたのを「良いのか?」と今更な事に苦笑する。
「キュー太郎も私の家族だよ。ね?好きなのを選んで。幾つでも良いよ家族の特権だよ」
というとキュー太郎も気に入ったシールを選ぶのでそれを押す。
来たら渡すねと笑みを渡した。
エマにもどれか欲しいものがあるか聞こう。
後日シールが家に来てみんなで眺める。
やはりガイコツシールに関して父は凄く興奮して良いねえ、と凄く嬉しそうにマジマジと見ていた。
ナターシャも回復魔法を付与するシールを吟味。
大きい方か良いかなと、アイスクリームの絵が描いてあるものを眺める。
その大きさは、手のひらよりも一回り小さい。
エマもロボットのシールを見て、プログラムを刻むと呟いている。
キュー太郎もギターの絵が描いているものや音楽関係のものが中心にある。
そういうのが好みなんだね。
覚えとかないと。
いや、やっぱり私は覚えられない。
シマエナガAIに毎度頼ろう。
ナターシャは母の事も観察。
母は父の方のシールを物欲しそうに見ていた。
(そっちかああ。盲点だった)
ジュスティヌこそ、小学生男児の感性が強かった。
温泉でガチで泳ぎ、ホテルで広いからと走り回る。
「母、このガイコツシール買う?」
(お、エマが珍しく母を甘やかすレアな光景)
「ああ!私もそれが凄く良く思っている!欲しい。頼んでおいてくれるか?」
「ん。ポチ、しとく」
エマがやってくれるらしい。
ナターシャはうんうん頷く。
家族を端目に、シールに回復系の魔法を込める事にした。
**
エマが魅惑の機器、コタツについて興味を持っていたので買った。
とんでもなく気に入ったウチの家族達。
ぬくぬくだ。
冬前に買ったから最初はあったかいことを不思議がっていたが外の記憶が下がるにつけて、その魔力に囚われていく。
私達の体は地球人と違い、天候や気温に左右されないが、寒い季節に暖かなものに包まれる心地よさを体感していった。
キュー太郎もパタパタと羽を休めて炬燵に籠る。
彼に限っては体が全て見えなくなるけれど、気にしていないので私も気にしないことにした。
「キュー太郎も、アイス食べる?」
「食べる」
「雪の見の大福食べるか?」
「食べる」
家族に可愛がられるシマエナガは満更ではなさげに甘やかされている。
雪の見の大福はコンビニで見つけた私が買ってきたんだけど、パクパク食べていたら、味見した母がめちゃくちゃ気に入って大人買い。
冷凍庫に60個入っている。
一日平均3回は食べているのを目撃しているので、計算すると15日から20日の間に食べ切る計算になる。
父もエマも食べているから10日くらいで買い込むかも。
キュー太郎も食べているからもっとかも。
エマの設計で、シマエナガの機能で冬になると、毛量と……まふっもっふん感を増量するようにしてあると言われ、確かにモッフモフだ。
特に顔の下がふっくりと膨れて愛らしさが爆発している。
正直、最近はホテルの従業員達は私たちを見慣れ始めているからか、今はまっふまふなマフラーをつけたシマエナガに視線が集中している。
シマエナガのモッフモフ具合の方が見やすいし、動物は癒し。
「キュー太郎、モフモフさせて」
「少しだけだ」
と、触らせてもらう。
冬間近、妹を見ると母と共にマイク◯、というゲームをしていた。
今はMODを入れているらしい。
MODとは非公式なものがほとんどな設定や側、システムを変更出来るスマホのスマホカバーおよび壁紙の変更のようなもの。
私は使ったことがなかったのだが、◯イクラをやりだした二人がある程度進めると手を出して、今ではいろんなものを試しているらしい。
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