第9話 一年A組の昼休みガールズトーク

「聞いた? 今週の火曜日に御門君がC組の一ノ瀬さんに告白したって!」


「うっそ!? 美男美女のカップルの誕生じゃん!」


「それが、振られたらしいよ」


「え、振られた? 振ったの、一ノ瀬さん、御門君を!?」


「うん。しかも、秒で」


「秒? 秒!? 玉砕なの!?」


「今は幼馴染の子と付き合ってるって。一時限目の休み時間から騒いでるよ?」


「そーなんだー」


「にしても、秒で振られたってのは初耳」


「その時見てた子が居て聞いたんだけど、取り付く島も無かったって。告白の途中で食い気味に振られたって笑ってた」


「あー、そもそも眼中に無かったんだ……」


「しばらく御門君、途方に暮れてたって」


「そりゃ、言い切る前に振られちゃーね……。可哀想だけど――なんか……ギャグみたいじゃない?」


「『一年で一番のイケメンが噛ませ犬だった件について』」


「人の片思いをweb小説のタイトルみたいに言うのやめなよ……」


「キーワードは【幼馴染純愛】【勘違いイケメン】【ざまぁ】」


「だから、やめなってば――いや、気になるけども」


「あ、ちょっと……! 本人、戻って来たから声落として」


「うわっ、コッチ見た……聞かれたかな……」


「もう、この話はやめやめ。ほら、早く食べて図書室行くよ」

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