第39話 金的は反則だってわかんねぇのかよこのおっさん


  とりあえず、おっさんが作ってくれた食事を食べ終えた。


 〈安物中華味カップ麺を食べた事により、HP+5を得ました〉

 〈安物レンチン冷凍チャーハンを食べた事により、HP+6を得ました〉

 〈安物レンチン冷凍餃子を食べた事により、魔法防御+1を得ました〉


 お、またステータスが上がった。


 しかし、これだけじゃまだまだ空腹値が足りないな。

 ゆっくりはしていられない。

 早い事おっさんから技を教えてもらって、金を稼いでもっと食事をしなければ。

 強くなるためには、技だけじゃない。

 金を稼いでまだ食べた事ない食事をすれば、またステータスが上がる。


 「なら、そろそろ始めるか」


 「ああ、よろしく頼むぜおっさん」


 「まず、お前さんに教えたい技は」

 「基本の基本だな」


  気づくともう、おっさんに玉太郎君を握られていた。

 

  おっさんの手は、もう完全にひねりの手に入っている。


 「こ、れ」

 「これがすべての基本」


 「主、いこうぜ」


 「じゃあなおっさん」

 「美味しかったよ」


 「ご馳走になった」


 兵隊達は帰る事を勧めてきたり、ご馳走の感謝を告げている。


 「待ってくれ」

 「もう、帰るのか」

 「まだ、見せただけだぞ」

 

 おっさんは、悲しそうだ。


 そんな悲しそうな顔をして、玉太郎君を握らないでくれ。


 「反則」


 「そんな技、いつ使うんだよ」


 「礼儀が通らない」


 兵隊達は、おっさんの技に否定的だ。


 まぁな、無理もない。

 玉太郎君への攻撃は、普通に反則だ。


 基本の基本というには、ばりばりの反則技である。


 「おっさん、俺はノールールの勝負をメインにしてるわけじゃないしさ」


 「たとえノールール勝負だとしても、その技は使えないな」


 「そんな」

 「そんなぁぁ」


 おっさんは悲しそうだ。


 「そのまま」

 「ではな」


 「おっさんの身のこなし、足の動き、手のひねりの速さ」

 「正確性、技術」

 「すごいよ」


 「おお」

 「わかるか」

 「わかってくれるか」

 「私は、すごいんだよ」


 「ああ」

 「おっさんはすごいよ」

 「だから、俺なりに」

 「カスタムして使わせてもらう」

 「それでどうだい」

 「まずは、オーソドックスルールでも使えるようにさせてもらう」


 「くぬぬぬ」

 「しかたない」

 「まずは、それで譲歩してやろう」


 「たすかる」


 「こうか」


 おっさんの足の動きを意識して。

 まずは足の動きからだ。


 おっさんへの距離を詰め、おっさんの玉太郎君に手を近づける。


 玉太郎君を握られていたのは、俺だった。


 「実践なら」

 「お前さんの玉太郎君はもう、きゅっとひねられてるぞ」


 なんなんだよ。

 なんなんだよこの加齢臭の強いおっさん。

 すごすぎんだろ。

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