第109話 『官能・イルカ濃艶』(๑>ᴗ<๑)テヘッ♡ 12月2日


 まず、色白で艶やかな大根を手に取ります。

 優しく、そして、しっかりと真水で洗い、円柱形にカットし、薄刃包丁を手に取ります。


 ここからは、容赦しません。

 有無を言わさず、ダイコンの白い肌に刃をあて、薄く薄く、上質な絹のように、その皮を剝いていきます。

 そうです。かつらむきです。

 向こうが透けるほどに薄く。しかし、絶対に途中で切れてしまうようなことがあってはいけません。繊細に、優しく優しく……。

 三分の二も剝いたところで、今度は、剝いた皮を丁寧に巻き戻していきます。


 すべてを巻き戻した後、その端を指先で摘まみます。

 そして、この一言を口にしてからのスタートです。

 「愛いやつよのう」

 その言葉を合図にして引く! 巻き戻した薄皮をぐいぐいと引っ張ります。

 「よいではないか、よいではないか」と言いながら、出来れば下衆な笑みを浮かべましょう。

 引く引く引っ張る。

 これが全ての日本男児の夢、『よいではないか』です。

 

 かつらむきの端を摘ままれた大根は、この一言を忘れてはいけません。

 「おやめくださいまし、お代官様」

 そして、薄皮を引かれ、まな板の上でクルクルと回りながら、切ない声で叫んでください。

 「あ~~れ~~」

 回る回る回り続ける。

 これが全ての大和撫子の夢、『あ~~れ~~』です。


 ふふふふふふふ、フォロワーさんが減っていく気がします( ̄▽ ̄;)

 

 前回で108話。

 煩悩の数だけエピソードを書いても、この有様です。

 むしろ育ってないか、煩悩( ̄▽ ̄;)コワイゾ。

 すでにカクヨムコン11が始まっているのに、私は一体何を書いているのでしょうか(;・∀・)


 この一連のやり取りは、『帯回し』と言うらしいです。

 「帯回し。

 さあ、御一緒に!」


 「帯回し。

 もっと大きな声で!」


 「ワンスモア!」


 「オッケー。エクセレント!」


 みなさまの脳裏に、いらん知識を植え付けました。


 ちなみに、高校生の時、この「帯回し」を実際に見たことがあります。

 その話は、いずれ、もうひとつの方で^^;


 半分ぐらいの方は、こう思ったんじゃないでしょうか。

 「…………何を読まされたんだ」と。


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